トヨタ自動車が提供する港湾物流業務のDXを目指す実証実験を支援

~サービスデザイン・リモートアジャイル開発手法で海上コンテナの陸上輸送における課題解決目指す~

日鉄ソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:森田 宏之、以下「NSSOL」)は、トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、以下「TMC」)が提供する港運事業者向けのコンテナ輸送の最適化を支援するクラウドサービスシステム構築と名古屋港での実証実験を支援しました。

名古屋港内ではコンテナの陸上輸送を担うトラック配送業務のドライバーの高齢化が進んでおり、労働力不足や業務ノウハウの継承が大きな課題となっています。今回の検証では、そうした課題解決に向けコンテナ輸送に関わる物流会社を横断したプラットフォームをつくり、それらをデジタルでつなぐことで「輸送会社の配車業務の負担軽減」「ドライバーの負担軽減」「倉庫の荷役管理業務効率化」を目指し、港湾におけるコンテナ物流業務全体を変革するDXの推進を目指したものです。

今回、名古屋港の港運企業と検証した配車最適化サービスのシステムは、GPSやOCR(光学文字認識技術)を使って得られた輸送業務に必要となる情報(トレーラーヘッド、シャーシ※1・コンテナ、倉庫側発着バース)をデータ化し利用状況と予測到着時間を算出するとともに、リアルタイムで最適な配車指示を支援します。本システムを活用することで、コンテナ陸上輸送の効率化と合わせて、配車担当者・ドライバーの負担軽減、牽引車両や駐車ヤードの有効活用への効果が確認されました。

NSSOLは、データ解析や最適化をはじめとした、お客様のDXに必要となるデータ利活用技術に関して実用化を見据えた応用研究※2を行っており、過去のデータ分析に関するコンペでも多くの実績※3を残しています。
また、SIerによるサービスデザイン・アジャイルスクラム開発の手法に関する研究開発を2012年から進めており、2017年には専門組織としてBeyond Experience Design Center(以下、BXDC)※4を立ち上げました。現在ではUXデザイナーやアジャイル開発を担うエンジニアの育成、およびデザイン思考をプロセスに取り入れたプロジェクトの立ち上げ・実行を担い、顧客企業によるアジリティの高いDX実現を支援しています。
本サービスは、各会社間を跨る複雑な業務プロセスの改革であり、かつ業務を最適化する技術の実現難易度も高いテーマであるため、従来のウォーターフォール型システム開発手法で実現するには難しく、試行錯誤を繰り返しながら状況適応型開発でビジネスサービスを生み出せる体制で実施するため、BXDCのサービスデザイン・リモートアジャイル開発手法で開発しました。また、検証時の現地対応やアジャイル開発実行メンバーとして株式会社NSソリューションズ中部が担当しました。

TMC(先進技術開発カンパニー)は、今回の検証で使われたコンテナ輸送の最適化システムをサービス化し、コンテナ輸送に関わる物流企業を、名古屋港に限らず広く求める計画です。

今後もNSSOLは「ファーストDXパートナー」として、DXの推進と経営課題の解決に貢献していきます。

以上

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