日鉄ソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:玉置 和彦、以下「NSSOL」)は、このたび、逼迫するIT運用現場における業務負荷の軽減と生産性の向上を支援するIT運用プラットフォーム「emerald SaaS(エメラルド・サース)」を10月1日より提供開始することをお知らせします。
emerald SaaSは、ITIL※1に準拠したITサービスマネジメント(ITSM)機能※2と業務自動化機能を備えたemerald System(エメラルド・システム)に、NSSOLのIT運用知見を集約した運用フローとスクリプトをあらかじめ実装して提供します。そのため、導入期間が従来のemerald※3と比較して約3分の1に短縮され(当社比)、お客様は複雑化している自社のIT運用実態を当社のベストプラクティスに則って迅速に再整備することが可能となります。加えて、NSSOLが考案した「IT運用パフォーマンススコア」によってIT運用業務の品質を可視化できるため、経営層はブラックボックスになりがちなIT運用の実態を客観的に把握し、運用現場層と改善に向けて具体的な目標や施策を合意することが可能になります。なお、emerald SaaS導入後は専任のカスタマーサクセスが、お客様の運用状況や要望に応じて継続的に改善を支援し、自動化・生成AI活用など更なる業務改善までご提案します。

従来、NSSOLは豊富な業務知見と高い技術力を活かし、幅広い業界のお客様の多様なニーズに対して、質の高いITサービスを提供してきました。今後は2024年4月26日に発表した「NSSOL 2030ビジョン」のもと、デジタルの力で社会の未来を描き、産業・社会全体の変革・発展・成長をリードする「Social Value Producer with Digital」を目指す姿とし、多様な価値提供の手段による成長戦略を志向しています。この度、新たに提供を開始するemerald SaaSは同成長戦略の1つとして位置づけ、当社が市場のメガトレンドと捉える「生成AI等新技術によるシステム開発・運用の変革」「デジタルサービスの拡大」「業種横断プラットフォームの本格化」に対応するサービスです。emerald SaaSによって、既存の運用事業領域の高付加価値化を図りつつ、NSSOL 2030ビジョンの実現に向けて新領域・成長市場への価値提供を目指します。
経営からの期待と現場力の両立に限界を迎えつつあるIT部門
DX(デジタルトランスフォーメーション)実現の期待を受けて、企業のIT部門の役割は従来よりも拡大・複雑化しています。一方でIT人材不足は解消の兆しを見せず、中でもIT運用現場ではその傾向が顕著となっています。NSSOLではこうした人材不足の影響を受け、以下のようなIT運用課題を抱えるお客様が増加していると考えています。
IT運用業務の属人化
特定の運用担当者に依存してしまい、運用ノウハウも社内共有されないため部門全体での業務最適化に取り組めない。
運用効率の低下
そもそもITSMツールなどの導入がされておらず、障害内容・発生頻度・解決方法が管理されていない。
最新技術の導入遅延
IT運用自動化・高度化に関する技術情報を収集・学習できていないため、既存の業務環境の改善まで手が回らない。
こうした運用リソース不足に起因して発生するIT運用業務の悪循環を断ち切るべく、NSSOLが新たに提供するのがemerald SaaSです。
emerald SaaSとは
NSSOLは、前身である新日本製鉄の情報システム部門における事業展開を含め55年以上にわたりIT運用事業を展開しており、2016年5月19日に次世代運用サービス「emerald(エメラルド)」を提供開始以降、そのノウハウをより一層磨き上げてきました。この高品質なIT運用ノウハウをもとに、当社が考える最も効率的なIT運用プロセスをお客様自身で手軽に実現できるようにパッケージ化した新サービスがemerald SaaSです。お客様のIT運用業務の現状を定量的に可視化することが可能なため、生産性向上に向けて、経営層と数値に基づいて具体的に改善策を議論することもできるようになります。
サービスには主に以下3つの特長があります。
1. IT運用知見を凝縮したテンプレートで導入期間を大幅短縮
emerald SaaSで提供するemerald Systemには、ITSMや自動化といったIT運用の高度化に必要な機能がテンプレートとしてあらかじめ実装されており、お客様はツール選定やPoC、導入・定着化にかかる時間やコストを大幅に削減することが可能です。特に運用基盤構築、運用設計フェーズの削減に優れており、導入期間は従来比で約3分の1となります(当社比)。emerald SystemはNSSOLが現在提供しているemeraldでも利用されているため、IT運用担当者の課題感やニーズを細やかに汲み取ってその機能を改善してきました。株式会社コムスクエアが提供するIT運用自動化ツール「Robostein(ロボシュタイン)」や、株式会社ユニリタが提供するITSMツール「LMIS(エルミス)」を採用し、NSSOLのベストプラクティスに基づく操作性に優れたIT運用環境を短期間で再現することができます。

2. NSSOL品質のIT運用環境を実現
emerald SaaSの最大の特長は、NSSOLが過去100社以上のIT運用を経験する中で蓄積してきたIT運用知見のアセット「emerald Knowledge(エメラルド・ナレッジ)」を活用できる点です。emerald Knowledgeはプロセスナレッジと作業ナレッジのほか、生成AI活用など、NSSOLが実践するIT運用業務のベストプラクティスを取り揃えます。先述のIT運用プラットフォームでは、これらのナレッジを効率的に活用し、お客様のシステム特性に合わせたIT運用品質を実現します。
3. IT運用知見をもったカスタマーサクセス担当が継続的改善を支援
企業システムに精通したIT運用のプロフェッショナルであるカスタマーサクセスが、NSSOLが考案した「IT運用パフォーマンススコア」を用い、お客様のIT運用状況を定量化し、継続的改善を実施します。
IT運用パフォーマンススコアは、複雑化・ブラックボックス化してしまっている運用状態を見える化し、イベント削減率や定型化率等をスコアリングします。お客様のIT運用の現在地点を定量的に可視化することで、お客様が重要視するKPIを軸とした必要十分な改善策を戦略的に選択することが可能となります。
- * スコア対象は順次拡充予定です。

今後もNSSOLは、当社のパーパス「ともに未来を考え 社会の新たな可能性を テクノロジーと情熱で切り拓く」のもと、お客様のIT運用業務の更なる効率化と品質向上をご支援し、継続的なITシステムの安定稼働と業務のコアシフトを叶えるサステナブルなIT運用現場の実現を支援していきます。
以上