豊田スチールセンターの製造現場DX目指し、天井クレーン遠隔運転実現に向けたローカル5G導入を支援

日鉄ソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:森田 宏之、以下「NSSOL」)は、豊田スチールセンター株式会社(以下「TSC」)が2022年1月24日にローカル5G(4.8GHz帯)の無線局免許を取得※1したことを受け、同工場内で稼働する天井クレーンの遠隔運転の実現に向けたローカル5Gソリューション「nsraven(エヌエスレイヴン)」を提供します。今回のローカル5G導入においてはノキア社製の無線設備を利用し、NSSOLはコア・無線基地局の構築およびシステムの運用保守を行います。2022年4月3日に電波照射が開始され、今後開発を続けながら、クレーンの試運転を開始し、本番操業を目指します。

TSCは従前より現場作業員の働き方改革・作業環境の改善・生産性の向上を目的に製造現場のDX推進に取り組んでおり、その一環として鋼板倉庫内で稼働する天井クレーン自働化・遠隔運転の実現を目指しています。

豊田スチールセンターの鋼板倉庫。10万トン以上の鋼板を保存することが可能で、15機のクレーンで鋼板の運搬が行われている。

クレーンの遠隔運転を実現するためには、遠隔運転室と天井クレーン間を流れる映像データ・制御信号を安定して伝送できる低遅延・大容量の通信ネットワークが欠かせません。しかし、有線ケーブルの場合はクレーンの広い稼働域に対応する長大なケーブルを保護する装置(ケーブルベア)が必要となること、Wi-Fiの場合は既存の構内無線との干渉や移動によって発生する通信の不安定性やWi-Fiがカバーできるエリアの狭さなどの問題がありました。そのため、幅広いエリアがカバーでき、移動体に対して途切れることなく安定して大容量・低遅延通信が実現できるネットワークとしてローカル5Gが採用されました。NSSOLはこれまでの実績からくる信頼性と、ローカル5G導入のみにとどまらない製造現場全体のDX推進を見据えたトータルインテグレーションでの提案を評価され、構築・運用保守のパートナーとして選定されました。

NSSOLとTSCは導入にあたって約1年間、各種仕様調査や工場内での電波エリアのシミュレーションをはじめ、NSSOL本社内にある「0→1DesignLab」※2における実際の天井クレーンに搭載するクレーンカメラや制御装置の実機接続検証、ローカル5G設備の設計構築を行い、ローカル5G導入によるクレーン遠隔操作の実現に向けて必要な準備を進めてきました。本システムが稼働すると、クレーンオペレーターの業務は機上の運転室からの目視操作からクレーンカメラで撮影された画像データを見ながらの遠隔操作へと切り替えることが可能となります。

システム概念図
システム構成図

NSSOLは、製造業界に所属する幅広い企業のシステム構築およびDXソリューションの提供で培ってきた知見を活かしてデジタル製造業ブランド「PLANETARY」を立ち上げるなど、製造業界全体のDX支援を行っています。また、ノキア社との戦略提携のもと、他に先駆けてローカル5Gサービスを日本国内で提供しています※3

今後もNSSOLは「ファーストDXパートナー」として、製造業界全体に向けて製造現場へのローカル5Gの導入をはじめ、あらゆるDXの過程を伴走する「デジタル製造業」の推進を通してアプリケーション・基盤・通信を含めたトータルDXソリューションを提供し、日本のインダストリー4.0の実現に貢献していきます。

以上

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