収益基盤の拡大と震災復興に向け個人ローンの審査業務を高度化

株式会社仙台銀行様

プロジェクト概要

背景

収益基盤拡大や東日本大震災からの復興に向け、個人ローンの審査業務を高度化する。住宅および無担保ローンについて審査業務を高精度かつ効率的に行うシステムを構築。幅広い顧客を対象にしたローン開発に活用する。

ソリューション

新日鉄ソリューションズ(NSSOL )の統合型ローン支援システム「LoanNavigator」を導入する。必要な機能を統合している上、動態リスク評価モデルに基づく途上与信管理やシステム利用者向けの顧客情報分析機能で業務を高度化できる。

成果

計画通り、被災者を含めた幅広い顧客を対象とする個人ローンを提供できた。
今後は、途上与信管理や顧客情報の分析機能を活用して、地域の顧客ニーズにきめ細かく対応することで、収益基盤の一層の拡大につなげていく。

  • 住宅ローンや無担保ローンに関する審査業務の高度化を検討

    「宮城県の金融円滑化への貢献」を使命に、同県を中心とした71カ所に店舗を展開する仙台銀行。より幅広い顧客に支持・信頼される銀行を目指して、中小企業支援や個人ローンの強化に取り組んでいる。
    同行が個人ローン事業強化の一環として、個人ローン審査業務の高度化を検討したのは、2010年秋ごろである。以前、仙台銀行は個人ローンの審査を基本的に保証会社へ外部委託していた。当時は効率的な仕組みだったが、収益性の検証を行う過程において、課題が出てきたという。対策として同行は、自らが高い精度で審査業務を効率的に行えるシステムを求める。さらに、システム企画段階で東日本大震災が発生。被災者を含む幅広い顧客を対象にしたローンの開発に新システムを活用したいと考えた。

  • 必要な機能をまとめて提供する「LoanNavigator」を選択

    要件を基に複数のソリューションから仙台銀行が選択したのが、新日鉄ソリューションズ(NSSOL)の統合型ローン支援システム「LoanNavigator」である。同ソフトウエアでは、住宅ローンおよび無担保ローンの審査を支援する「個人ローン審査システム」、顧客情報を分析する「リテール統合DB」など、必要な機能をまとめて提供する。
    個人ローン審査システムが、動態リスク評価モデルをベースにした「途上与信システム」を備える点も特徴である。同モデルはNSSOLのグループ企業である金融エンジニアリング・グループ(FEG)が開発したもので、顧客の預金取引情報、延滞情報などから個人の信用力を高い精度で計算できる。融資の可否や融資枠の拡大を、より幅広い顧客に対して的確に判断することが可能だ。

  • 新システムでローンの開発を加速、今後はマーケティングにも活用

    システム構築は2011年6月に始まり、急ピッチで進んだ。2012年1月には住宅ローン審査機能が、同年3月には無担保ローン審査機能を含む全体が稼働している。
    成果は大きい。まず、仙台銀行はLoanNavigatorで構築した個人ローン審査システムの活用を前提とするローンの開発を加速。科学的・体系的な根拠に基づく判断によって、被災者を含む幅広い顧客のニーズに応えるローンを提供している。
    今後は、途上与信システムやリテール統合DBの活用を進めていく。動態リスク評価モデルをベースにした途上与信システムを活用すると、一層幅広い顧客のニーズに応えるローンの提供が可能になると仙台銀行は考えている。またリテール統合DBは、法令対応や顧客ごとに最適なローンを案内するといったマーケティング活動に利用する。

コアテクノロジー

データマイングによるモデリング(FEG審査モデル)、Microsoft SQL Server Analysis Services、 ETLツール(高速名寄せ処理:特許4870732、特許4834054)

システム概要

●サーバー:Windows Server 2008×3
●アプリケーション:統合型ローン支援システム「LoanNavigator」

株式会社仙台銀行様

本店:仙台市青葉区一番町2-1-1
設立:1951年
資本金:224億円(2012年3月31日現在)
経常収益:152億円(2012年3月期)
従業員数:815名(2011年9月30日現在)
グループ会社:連結子会社1社(2012年3月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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