Fenergoと共催 日本エグゼクティブフォーラム開催レポート

~自動化とAIで進化するKYC・顧客オンボーディングの最新動向~

日鉄ソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:玉置 和彦、以下「NSSOL」)は、2026年7月8日(水)、アイルランド大使館(Ireland House)にて、Fenergo Limited(本社:アイルランド、創設者兼CEO:Marc Murphy、以下「Fenergo社」)と共催で日本エグゼクティブフォーラムを開催しました。
本フォーラムでは、「KYC(Know Your Customer)業務の負荷を自動化とAIで解消し、顧客体験に変革を」をテーマに掲げ、金融機関の経営層・業務責任者を対象にAML(Anti-Money Laundering)/KYCを取り巻く規制動向、顧客オンボーディング高度化の方向性、AI活用の最新トレンドについて議論しました。

イベント開催の背景

近年、金融機関を取り巻く環境は大きく変化しています。AML/KYC規制への対応強化に加え、関連法制度の見直しが継続的に進むなど、顧客管理業務の複雑性は高まっています。
一方、金利環境の変化を背景とした市場の活性化や競争の激化により、金融機関には顧客体験の向上と業務効率化の両立がこれまで以上に求められています。さらに、生成AIをはじめとする技術革新は金融機関の業務を変革しつつあります。
本フォーラムでは、こうした環境変化を踏まえ、KYC・顧客オンボーディング領域における課題を共有し、最新トレンドや事例を通じて国内市場における実践的なアプローチについて考察しました。

講演内容

NSSOL Opening Note

フォーラム冒頭のOpening Noteでは、NSSOL 金融ソリューション事業本部 営業本部長の小松 寛明が、Fenergo社との強固なパートナーシップや、これまでの協業の歩みについて紹介しました。
また、NSSOLとして国内金融機関向けに初めてFenergoソリューションの導入を支援するプロジェクトが始動したことにも触れ、両社による日本市場での取り組みが新たなステージに入ったことを説明しました。

日鉄ソリューションズ株式会社 金融ソリューション事業本部 営業本部長 小松 寛明

Fenergo講演

続くFenergo社の講演では、グローバル金融機関におけるKYC・顧客オンボーディングを取り巻く最新動向や、AI活用を含む今後のプロダクトの進化が取り上げられました。規制強化、顧客期待の高度化、生成AIの進展といった環境変化を背景に、顧客ライフサイクル管理(CLM)の重要性にも焦点が当てられました。

パネルディスカッション

後半のパネルディスカッションでは、三菱UFJ信託銀行/FDUAの橋本 育子氏とムーディーズ・アナリティックス・ジャパンの伊庭 健太氏をパネリストに迎え、金融機関およびデータソリューションベンダーそれぞれの立場から、KYC業務の高度化に向けた課題認識や、AI活用による業務効率化・品質向上の可能性について意見が交わされました。また、Fenergo Matt Edwards氏からは同社ソリューションを利用するグローバル金融機関におけるAI活用ユースケースも紹介され、オンボーディングや継続的な顧客管理業務における実践的な活用の方向性についても理解を深める機会となりました。

画像左から、
日鉄ソリューションズ株式会社 営業本部 プラットフォーム営業部長 松尾 敏伸
ムーディーズ・アナリティックス・ジャパン アソシエイト ディレクター・コンプライアンス/データソリューションセールス 伊庭 健太氏
三菱UFJ信託銀行 市場デジタル推進部 副部長兼フェロー/FDUA不正対策・犯罪対策WG KYC分科会長 橋本 育子氏
Fenergo Limited VP Partnership & Alliances Matt Edwards氏

講演におけるインサイト

経営課題としてのKYC・オンボーディング

フォーラムでは、顧客オンボーディングやKYCが従来のバックオフィス業務の枠を超え、事業成長や顧客獲得にも直結するテーマとして議論されました。
サービスのデジタル化が進む中で、顧客はより迅速でシームレスな体験を求めています。そのため、「コンプライアンス」と「顧客体験向上」の両立は、金融機関にとって重要な経営課題であることが確認されました。

統合的な顧客ライフサイクル管理で業務の複雑性を解消

講演では、多くの金融機関が依然として部門・拠点・業務ごとに分断されたプロセスやデータを抱えており、KYC業務では確認対象情報や関係者が多岐にわたることから、大きな業務負荷や非効率な運用につながっていることが示されました。
こうした課題に対し、顧客情報・業務プロセス・規制要件を一元的に管理するCLM(Client Lifecycle Management)の考え方が今後ますます重要になるとの見解が共有されました。

KYC領域におけるAI活用の可能性

AI活用が急速に進む一方で、説明可能性や監査可能性、Human in the loop(人間による監督)の考え方など、適切なガバナンスを前提とした運用の重要性についても意見が交わされました。
また、現在多くの時間が費やされているデータの収集・確認をAIが担うことで、金融機関として意思決定や判断といった付加価値の高い業務により多くの時間を割ける可能性が示されました。

まとめ

今回のフォーラムを通じて、KYCおよびCLM領域におけるAI活用は、単なる業務効率化にとどまらず、顧客体験の向上や経営課題の解決にもつながる重要なテーマであることが改めて確認されました。
NSSOLは、Fenergo社とのパートナーシップを通じて、AML/KYC業務の高度化、顧客オンボーディングの効率化、そしてAIを活用した次世代の顧客ライフサイクル管理の実現を支援してまいります。

以上

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