日鉄ソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:玉置 和彦、以下「NSSOL」)は、国内のシステム開発に携わる、企業に所属する個人(872人)を対象に、設計フェーズにおける生成AI活用の実態調査※を実施しました。
本調査では、生成AI活用率は63.2%に達し(図1参照)、活用者は工数削減や品質向上を実感する一方(図2および図3参照)、活用方法の標準化やプロセス整備に課題を感じていることも明らかになりました(図5参照)。
生成AIの活用により、工数削減と成果物の品質向上を実感
設計フェーズで生成AIを利用していると回答した人(500人)を対象に、活用目的と得られた効果について尋ねました(複数回答可)。活用目的としては「ドキュメント作成支援」(43.6%)、「コード生成/実装支援」(38.6%)、「生産性向上(作業の自動化・時短)」(35.8%)、「品質向上(レビュー強化・抜け漏れ低減)」(32.0%)(図2参照) が上位に挙がり、生成AIが設計業務の効率化と品質確保を両立させる手段として期待されていることがうかがえます。導入による効果としても「ドキュメント作成工数が減った」(41.2%)、「レビュー指摘や手戻りが減少した」(30.8%)などの回答が多くあることから(図3参照)、設計作業に要する工数削減と成果物の品質向上の双方で効果が実感されている状況がうかがえます。
また、本調査では設計成果物への適用範囲についても尋ねています。適用範囲としては、「一部の設計書に利用している」が45.0%と最も多く、次いで「ほぼすべての設計書に利用している」(22.6%)、「特定の設計書にのみ利用している」(18.0%)と続きます(図4参照)。
この結果から、半数近くの現場では、まず限定的な範囲で生成AIを活用し、その有効性を見極めながら適用範囲を検討している状況がうかがえます。現時点では、特定の設計書に適用範囲を絞るか、設計書全体への適用を進めるかの過渡期にあると考えられます。
ルール整備と人材育成が課題
本調査では設計フェーズへの生成AI導入・運用における課題についても尋ねており、回答者の約9割が何らかの課題を認識していることが明らかになっています(図5参照)。セキュリティや品質担保、ツール連携といった技術的な懸念に加え、利用方法の属人化や社内ルールの整備などの組織的なプロセスに関する課題も可視化されました。生成AIの効果を最大化するためには、技術導入に加え、プロセスの標準化や組織的な活用支援が重要であることが示唆されています。
さらなる活用に向けて
特定的な利用にとどまる場合と設計成果物全体への適用を進める場合とで、成果物の品質や開発効率に差が生じる可能性もあることから、生成AIの活用を前提としたプロセスの再設計が求められます。適用範囲を見極めている過渡期においては、設計フェーズで生成AIを最大限に活用するために部分的な検証にとどまらず、設計プロセス全体を見据えた活用の検討が重要です。
また、メンバー間で生じている生成AI活用スキルの差については、社内教育や利用ルール・ガイドラインの整備を通じて是正し、組織的に活用するための基盤を整備していくことが求められます。
特に今後は、AIに適した設計ドキュメント構造(AI Ready化)、ナレッジ蓄積・再利用の仕組み、人とAIの役割分担の最適化といった観点が、企業の開発競争力を左右する重要要素になると考えられます。
NSSOLは、AIと人間の協働による開発プロセスの高度化を支援するサービスとしてNSDeviaを提供しています。AIを活用した次世代の開発スタイルを切り開き、お客様の開発生産性と品質のさらなる向上に貢献してまいります。
以上
