NSSOLが新日鉄住金向けに全社で統合されたデータ解析基盤を構築

各製鉄所の知見や熟練工の高度なノウハウを結集し高度化するために、AIを活用したデータ分析プラットフォームを導入

新日鉄住金ソリューションズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:謝敷 宗敬、以下:NSSOL)は、新日鐵住金株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:進藤 孝生、以下:新日鉄住金)向けに、全社横断のデータ解析・ノウハウ共有基盤として、統合データ解析環境「Data Veraci(ダータヴェラーチ)@absonne(アブソンヌ)」(以下、Data Veraci)と、機械学習プラットフォーム「DataRobot」(*1)を導入し、本番環境での運用を開始いたしました。

国内最大の鉄鋼メーカーとして、全国12カ所に製造拠点を有する新日鉄住金は、「攻めのIT」戦略を掲げ、その推進組織である「高度IT活用推進室」を2016年4月に発足し、IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)を活用した生産性向上・品質改善に積極的に取り組んでいます。
従来、新日鉄住金では製鉄所ごとに生産性・品質向上のための技術開発を進めており、各々独自に選定したツールでデータ解析を行っていたためノウハウの共有が難しいといった課題がありました。全国に散在する高度な知見を組織として有効に活用していくためには、全社横断のデータ解析基盤が必要と考え、さらにこの基盤には、熟練工の持つノウハウを形式知化することや幅広い層の技術者に高度な解析手法を提供していくといった狙いもありました。

新日鉄住金では、全社横断で利用するデータ解析環境として、NSSOLが提供するクラウドベースの統合データ解析環境Data Veraciの展開を2016年に開始しました。同年、より多くの技術者が高度なデータ解析を効率的に進めるために、DataRobot社の機械学習自動化プラットフォームDataRobotの導入を計画し、NSSOLは国内における豊富な導入実績から得た知見を基に、3カ月にわたる試験運用とその後の本格活用を支援いたしました。

新日鉄住金では、今回構築された新たなデータ解析基盤を活用し、予兆保全の精度向上(設備異常要因の推定等)、異常発生の予測などで成果を上げています。Data Veraciの導入によってすべての研究所と製鉄所でデータ解析結果を共有できるようになったほか、拠点間のコミュニケーションも活性化されたとしています。
DataRobotは既に300人が利用しており、高度な解析を行う技術者の層が広がっています。解析時間を大幅に短縮したうえで、複数の予測モデルに基づく多角的な分析が可能となりました。また、設備稼働データ解析に深い知見を持つ新日鉄住金の技術者と、最新かつ幅広い解析手法に精通したNSSOLのデータサイエンティストとの協働により、難度の高いデータ解析でも成果が上がっていると評価されています。

(*1) DataRobotについて
・DataRobotは、AI・機械学習を高度に自動化する革新的なプラットフォームです。
・DataRobotを導入すれば、計算機科学のスキルや経験がなくとも、ワンクリックで簡単に、世界最高レベルのデータサイエンティストの知見に基づく高精度な予測モデルを作成し、実運用環境に配備できるので、AI・機械学習を即座に実ビジネスで活用できます。
・DataRobotは、新規ビジネス企画、既存業務効率化・高度化といった企業課題に対し、AI・機械学習を活用して継続的に取り組むための環境を提供することで、企業競争力の強化に大きく貢献します。
NSSOLでは、AI・機械学習活用のコンサルティングサービス、DataRobotの環境構築・導入支援、保守・運用サービス、データ収集・加工に必要な周辺システムの整備・構築など、DataRobotの活用に関わる多彩なサービスを提供します。

以上