日鐵住金溶接工業、千葉工場の投入計画システムを新日鉄住金ソリューションズと共同開発

日鐵住金溶接工業株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:木村 寛、以下 日鐵住金溶接工業)は、新日鉄住金ソリューションズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:謝敷 宗敬、以下 新日鉄住金ソリューションズ)と、千葉工場の投入計画システムを共同開発し、業務での利用を開始しました。

日鐵住金溶接工業 千葉工場では、目的用途別に分類されるフラックス入りワイヤ、ソリッドワイヤなどの溶接用ワイヤを多品種生産しています。工程フローは品種毎に異なり、一部の生産工程では複数品種で設備を共有しています。計画担当者は日々、複雑な操業条件の下、納期遅れや材欠が発生しないよう考慮しながら、各工程の投入指示を手作業で作成していました。近年の建設需要増などに伴う注文量増加に設備投資で対応してきましたが、さらなる生産効率改善にソフト面での対応が求められていました。

このたび開発した千葉工場の投入計画システムの導入によって、後工程材源の見通しや、操業変動による影響等の可視化が実現され、現場の情報共有、計画調整による時間の有効活用、材料手配や納期精度向上といった効果が発揮され始めています。

本システムでは、市販の生産スケジューラ製品をベースとし、製品機能では十分にカバーできない同工場の設備構成や操業条件に対応する機能を新規開発しました。主な新規開発機能は、以下の通りです。

  • 先頭工程投入計画の作成機能
    後工程への投入バランスを確認しながら、先頭工程の投入計画を入力する機能
  • シフト配置・号機割当設定機能
    多品種で取り合いになる工程・号機への投入バランスをとるため、各工程・号機への投入品種を人が柔軟に設定できる機能

本システムでは、システム導入による生産現場への負担を最小限とし、現実から乖離しない計画システムとするため、柔軟な対応が可能な人手作業を随所に加えることで精度を向上させる仕組みとしています。このような仕組みの実現に当たっては、トライ&エラーによるシステム機能と人手作業のすり合わせが有効であるため、スパイラル型開発手法を採用しました。

本システムの企画構想段階では、日鐵住金溶接工業、新日鉄住金ソリューションズの二社に加え、新日鐵住金株式会社 技術開発本部 プロセス研究所にご協力いただきました。開発全体を通じ、グループ企業をまたぎ、それぞれの得意分野を活かす形での推進体制を取りました。

日鐵住金溶接工業と新日鉄住金ソリューションズは、新日鐵住金グループの一員としてシナジー効果を発揮し、更なる業務効率改善を目指して協業を進めて参ります。

以上