資生堂、迅速な経営判断を支える 情報分析基盤を刷新

~5000人超が利用する分析基盤を、既存資産を活用しつつ性能と拡張性を大幅に向上~

新日鉄住金ソリューションズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:謝敷宗敬、以下 新日鉄住金ソリューションズ)は、資生堂にて2008年に構築した情報分析基盤を、既存資産を最大限活用しつつ性能と拡張性を大幅に向上させ、さらに店頭売上向上のサポート機能を拡張させた情報分析基盤へ刷新いたしました。これを国内化粧品事業において、2016年1月より全面稼動を開始いたしました。

資生堂では、2008年から情報分析基盤での店舗の販売データ分析を行ってきましたが、市場トレンドの変化や国内人口の減少に伴い、よりタイムリーに市場動向を把握し、対策を打つことが経営課題となっていました。情報システムに対しては、店舗のPOS(販売時点情報管理)データの増大への対応にくわえ、 オンラインショップなどのチャネルの販売データの統合、および生産から店頭での売上までを網羅する販売管理系システムと会員顧客の顧客管理・購買分析系システムをひとつの情報分析基盤上へ集約することが求められました。このため、分析に適したよりハイパフォーマンスなシステム基盤への刷新が急務となっていました。

新システムのシステム基盤には、IBMのプロセッサー「POWER8」搭載サーバー、オールフラッシュ・ストレージ「IBM FlashSystem」、および分析ツールとしては、資生堂にてこれまで蓄積された分析テンプレートを最大限活用するために「Oracle Business Intelligence」を採用しました。今回のシステム基盤の刷新では、本番環境のストレージをすべてフラッシュ・ストレージにすることでI/Oのボトルネックを解消しました。また、サーバーには1台あたり1テラバイトのメモリーを搭載させ、Oracle Real Application Clustersをベースにリソース活用を最大化すると同時にIn-Memory Parallel Query技術の採用と適切なチューニングによって「POWER8」の高速並列処理能力を活かせる構成としました。この構成によりOracleデータベースへの超高速データ・アクセスが可能となり、従来比で約10倍高速な分析処理を実現させることが出来ました。

情報分析基盤の刷新にあたり、新日鉄住金ソリューションズと日本IBMは共同で性能検証を行い、資生堂の既存アプリケーションで実際に分析を実行した場合のシステム性能を検証し、適切なシステム基盤の設計を行うことで、高速な分析処理を実現しました。

資生堂では今回のシステム基盤刷新により散在していた販売データ、顧客データ、市場データを一元的に集約して、今までよりも高度な分析を高速に行うことができるようになりました。また、検索にかかる応答時間が削減され、マーケティング担当者はトライ&エラーを繰り返しながらより深い分析に集中することができ、営業担当者は業務に直結する分析レポートを素早く入手し、改善につなげることができます。

資生堂は、今後この情報分析基盤を活用して全社員がマーケッターとしてデータ分析を業務で活用し、働き方を変革することを目指しています。また、世界規模でのブランド別・地域別の分析や、資生堂のオンラインショップ「watashi+(ワタシプラス)」のデータなどもあわせて分析することで、より充実したサービスの実現を目指しています。

以上