社長年頭所感

2016年の年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。
昨年10月に2016年3月期の連結業績見通しを売上2,220億円、経常利益210億円としました。当社としては初めて200億円を越える高い利益目標です。グループの総力を挙げ達成を目指します。
2016年、世界に目を向けると、欧州・中近東における地政学リスク、中国経済の減速などにより不透明感も増してきています。世界情勢の影響により国内景気が厳しい方向に転じる可能性もあり、緊張感を持ちつつ対応していかなければならないと思っています。

一方、IT市場の成長力は依然として力強いものを感じています。特に既存の業界セグメントが重なる領域に大きな成長の源泉、「成長の宝の山」があると考えています。
たとえば、流通小売り事業者の自社ブランド品の生産、いわゆる「製造小売」では、売れ行きをリアルタイムに把握し、タイムリーに生産を行っていくことが求められますし、アジアでの生産・物流、品質・納期管理も必要です。イーコマースを展開するネット事業においては、出店している企業への融資や決済機能の提供など、「フィンテック」と言われる、より柔軟で迅速な新しい金融サービスが生まれています。こうした新しいビジネスは、最新のITで支えられています。システムインテグレータには、最先端のIT知識はもちろん、製造業、流通業、金融業など幅広い業務知見が求められます。また、最近どんどん実用化が進んでいる「IoT」でも、モノづくりの現場における業務知見とともにセンサー、ウェアラブル、ネットワーク、クラウド、ビックデータなどの先端技術を総動員しないといけません。
当社では、産業/流通・サービス/金融/鉄鋼/ITインフラソリューション/システム研究開発センターなど各組織が連携し、さらに国内外のグループ会社もいれたNSSOLの総力を挙げて、この「成長の宝の山」に眠るビジネスチャンスをお客様とともに切り拓いていきたいと考えています。

このような新しい取組みにチャレンジしつつも、システムの安定運用、セキュリティ対策、万全を期した情報資産の保護管理といった着実な日常活動が、お客様のITパートナーである当社にとって事業の根幹であることに変わりありません。今年も大型プロジェクトが多数あり、一つ一つのプロジェクトを着実に、誠意をもってマネジメントし、お客様との信頼関係を醸成していくことが発展の礎となります。

こうした活動を支えるうえで、意欲を持って前向きに仕事に取り組める就業環境を整えることが、とても大切な要素となります。育児や子供の教育、そして介護など生活上のさまざまな制約のなかで、一人一人が働きやすい効率的な環境をつくっていく必要があると考えています。そのため、会社と組合が力をあわせ「働き方変革タスクフォース」を軸に活動を推進し、地に足のついた実感ある施策を一つ一つ積み上げ、「働きやすい、働きがいのある会社」にしていきたいと思います。

成長は、お客様またパートナーの皆さまとの信頼関係、そして何より社員どうしの信頼関係があってこそ初めて実現できると考えています。2016年は事業環境の変化も予想されるなか、NSSOLグループ一丸となって、さまざまな課題にチャレンジし、お客様とともに成長を続けてまいりたいと思います。

以上