(参考資料)新日鉄ソリューションズの第5データセンターが、耐震性能と環境性能で最高ランクの評価を取得

新日鉄ソリューションズ株式会社(本社:東京都中央区新川二丁目20-15、代表取締役社長:北川三雄、以下 新日鉄ソリューションズ)と新日鉄エンジニアリング株式会社(本社:東京都品川区大崎1-5-1、代表取締役社長:高橋誠、以下 新日鉄エンジニアリング)は、新日鉄ソリューションズが2012年春に開業予定の第5データセンター(設計・施工 新日鉄エンジニアリング)が、建物の耐震性能の評価指標であるPML*で 1%未満、建物の環境性能の指標であるCASBEE*(実施設計段階)でSランクと、それぞれ最高ランクの評価を取得したことを発表します。

*PML(Probable Maximum Loss:予想最大損失)
地震により発生する被害を元の状態に戻すのに必要な費用(復旧費、休業、損失を含む)が、元々の資産価値に対して何%に相当するかを数値で評価する指標。保険業界での地震保険の料率算定や不動産業界での建物の地震リスク評価に利用されている。日本データセンター協会(JDCC)では、データセンターの信頼性を実現するためのファシリティ基準を「データセンター ファシリティ スタンダード」として策定しているが、地震リスクに対する安全性について、PML10%未満を最高レベルのティア4と定めている。


*CASBEE(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency:建築物総合環境性能評価システム)
省エネや省資源・リサイクル性能といった環境負荷削減の側面はもとより、室内の快適性や景観への配慮といった環境品質・性能の向上といった側面も含めた、建築物の環境性能を総合的に評価する国土交通省の主導のもとに開発されたシステム。最高はSランク。


両社は、クラウド・コンピューティング時代のデータセンターに不可欠な基本要件である「ITの高密度化への対応」と「グリーン(環境負荷軽減)」に着目するとともに、国内トップレベルの安全性・信頼性・可用性を有する次世代型DCとして、第5データセンターの設計を進めて参りました。

建物の耐震性能に関しては、極めて良好な地盤に加え、世界トップレベルの新日鉄エンジニアリングの鋼構造エンジニアリング力と免震技術(免震デバイス、鋼製耐震壁など)の採用により、設計上想定した地震動(震度7クラス)が発生した場合でも地震応答加速度*を200Gal未満に抑えることにより、IT機器に影響を生じさせない仕様としています。これらの設計内容が高く評価され、株式会社ERIソリューション(東京日動海上火災リスクコンサルティング株式会社)殿より、PMLとしては極めて低い「1%未満」との地震リスク分析評価を受けました。

*地震応答加速度
構造物に地震動(地盤自体の揺れ動き)が作用した場合の当該構造物の揺れ(応答)の加速度のこと。当該建物においては、一般的な建築基準法で定められる設計要件に加え、特にIT機器への影響に関係性の高い、応答加速度に着目して設計を実施しました。


また、「グリーンIT(環境負荷軽減)」については、自然冷却の採用や設備・機器の高効率運用など、新日鉄エンジニアリングのエネルギー計画・制御技術と、新日鉄ソリューションズのDCおよびIT運用ノウハウを融合することにより、東京都心部にありながらPUE*1.4以下と最先端の環境性能を実現できる省エネルギー設計としました。この技術が高く評価され、ビューローベリタスジャパン株式会社殿(CASBEE評価認証機関)より、CASBEEの最高ランクであるSランク(BEE*4.2)の認証を受けました。

*PUE(Power Usage Effectiveness)
データセンター全体の消費電力を,サーバーなどのIT機器の消費電力で割った値。値が小さいほど効率が高い。前者は,サーバーやストレージ、ルーターなどのIT機器の消費電力に加えて、空調、電気設備、照明、監視装置などが消費する電力も含む。


*BEE( Built Environment Efficiency: 建築物の環境効率)
CASBEEの主要概念で、Q(建築物の環境品質)を分子として、L(建築物の環境負荷)を分母とすることにより算出される指標で、値が高いほど環境効率が高い。BEE4.2はオフィスビルを含めた建築物全体でもトップクラスの値です。


両社は、昨今企業の大きな関心事であるBCM(事業継続マネジメント)、地球環境への配慮や電力節減の要請などの課題に対して、第5データセンターが極めて有効なソリューションとして貢献できるものと考えております。今後も両社で連携し、第5データセンターの開業に向け着実に準備を進めて参ります。

以上