ARは、現実の世界とコンピューターの世界をセンサーやカメラといったさまざまなデバイスを通じてリアルタイムに連携させることで、視覚を含む人間の五感を拡張する技術の総称のことです。ARを利用することで、例えば作業中の手をふさがずに作業手順に沿った仕事をするといったことが実現できます。さらに、センサー技術のみならず、無線通信やクラウド上の高性能な計算機資源を組み合わせて使うことで、より効率的に業務を進めることができる可能性を持つ分野でもあり、今後の成長が大きく見込まれている分野の一つです。
しかしながら、従来のAR向けメガネは、実際に作業を行おうとすると視覚的な違和感を覚える、あるいは、実物体にCGを重畳表示することが難しく作業対象を的確に指示することが困難であるなどの課題がありました。
ビュージックスと新日鉄ソリューションズでは、このような状況を踏まえ、AR向けメガネを、サングラス型(両眼3Dタイプ)にして、より軽く、光学透過型に、また、広い視野角、高精細にすることで、製造現場等での使用に耐えうる形に進化させました。この開発により、先般米国ネバダ州・ラスベガス市で開催されたCES2011国際家電ショーでInnovation Award に選定されました。
新日鉄ソリューションズは、様々な産業の現場に対してARを活用したシステムを提供するために、ARフレームワークを開発・保有しています。
今回共同開発した新たなメガネを、製造業の現場のITソリューションに対して豊富な知見を持つ新日鉄ソリューションズのソリューション構築において活用することで、ますます高度化する業務の安全かつ確実な実行を支援する環境や、後継者不足に悩む製造現場を支える次代の担い手への技能伝承を効率化するシステムなどを実現することができます。
両社は、今後共同で本製品を利用したソリューション開発と顧客への提案を進めて参ります。
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