新日鉄ソリューションズ、地球環境に配慮した衛星データ解析用システムを国立環境研究所に納入

~Green500 TOP10チャレンジも支援~

新日鉄ソリューションズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:北川三雄、以下 新日鉄ソリューションズ)は、このたび独立行政法人 国立環境研究所(所在地:茨城県つくば市、大垣 眞一郎理事長、以下国立環境研究所)地球環境研究センター の温室効果ガス観測技術衛星 GOSAT(「愛称:いぶき」)プロジェクトに160台のCPU/GPUハイブリッドノードを中心とした地球環境に配慮した衛星データ解析用システムを納入致しました。

GOSATプロジェクトとは、宇宙航空研究開発機構、環境省、国立環境研究所の3者共同プロジェクトで、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)からの観測により、地球大気中の二酸化炭素及びメタンの濃度を算出し、全球炭素収支分布の推定精度を向上させることを目的としています。今回納入した計算機システムは、国立環境研究所が担当している「いぶき」からのデータの解析における研究用計算処理の処理時間の短縮、精度の向上を目的としています。同システムは、CPU/GPUハイブリッド計算ノード160台による合計CPU1280コア、GPU320台を有し、NVIDIA社製GPU(Tesla)を搭載したCPU/GPUハイブリッドコンピューティングシステムとしては、現時点で日本最大級です。また世界のスーパーコンピュータの電力効率の良さを競うランキングであるGreen500においては、トップ10に相当する見込みです(今秋、申請予定)。

今回のシステム納入にあたり、膨大なデータ処理に対応した計算能力を得るとともに低消費電力による地球環境への配慮もシステム導入の大きなテーマとなりました。新日鉄ソリューションズは、日本SGI株式会社、エヌビディア ジャパン、株式会社 HPCソリューションズ、株式会社エーピーシー・ジャパンと共同で以下の構成による計算性能の実現と地球環境への配慮を行いました。

【納入システムの主要構成・性能】
・ノード: CPU/GPUハイブリッドノード(日本SGI Asterism)160台
 - CPU:インテル クアッドコア Xeon E5530 320台(1280 コア)
 - GPU:NVIDIA Tesla C1060
コンピューティングプロセッサ 320台 ※
・ストレージ: DDN S2A9900実効容量 100TB(Lustre File System + NFS)
・接続NW: Infiniband QDR + TCP/IP
・空調/冷却システム: APC InfraStruxure InRow+Hot Aisle Containment System(HACS)による局所冷却ソリューション
※倍精度浮動小数点演算性能 理論性能値 37TFLOPS/実行性能値 25TFLOPSとなり、2009/11月時点のGreen500では、80位程度にランクインする性能。また近日中に予定されているシステムアップデートにより理論性能値 170TFLOPS程度に向上し、2010/11のGreen500ではTop10相当となる見込み。
【納入システムの地球環境への配慮】
・GPUの採用による対消費電力あたりの演算効率向上
・高効率PSU(Power Supply Unit)採用による消費電力低減
・計算ジョブの処理状況に応じて、各ノードの停止・起動を自動制御する仕組みの開発(エコマネージャ)
・SSDドライブの採用による消費電力低減
・冷却システムInfraStruxure InRowと冷却ソリューションHACSを併用することによる空調設備の消費電力低減

今後新日鉄ソリューションズでは、今回の納入で得た地球環境に配慮した大規模CPU/GPUハイブリッドコンピューティングシステム構築の知見を活かし、低消費電力且つ高効率なITインフラソリューションの提供に注力していきます。

以上