基幹業務システムの構築においてERPパッケージ製品は、財務会計分野から購買管理、販売管理、物流管理、生産管理等の業務分野へと、その適用が拡大しています。導入企業では、全社レベルでの業務最適化の実現やシステム維持運用の容易性・コスト優位性の観点から、同一パッケージ製品による統一的な適用拡大を志向されています。しかしながら、個別ユーザー部門は、現状業務からの乖離が大きく、大胆な業務変革が迫られる、統一的なパッケージシステムの導入に対しては難色を示す場合が多くあります。このため多くの導入企業では、 ユーザー部門におけるシステム活用範囲が狭く、周辺業務として人手による作業が多く残るなど、ユーザー部門の現状に最もフィットするパッケージ製品の個別採用により全体最適が実現できていない状況にあります。このような現状に対し、ホワイトカラー業務効率化とコンプライアンス遵守のために、ERP周辺業務や部門横断での業務を最適化し、ERP活用範囲を拡大したいというニーズが高まっています。
このたび、新日鉄ソリューションズは、SAPアプリケーション導入企業向けに、ERP周辺業務と部門横断での業務の最適化とERP活用範囲の拡大を実現する、サービスの提供を開始します。このサービスは、"業務モデリング"、"現業部門で受け入れ可能な業務改善モデルの提案"、"業務改善モデルを実現するためのSAP® Business Suiteと連携するシステムの構築"、および"新業務モデルの運用定着化"の手順で推進します。SAP® Business Suiteと連携するシステムの構築においては、SAP NetWeaver® BPM(Business Process Management)を活用します。SAP NetWeaver® BPMにより、業務モデリングからSAP® Business Suiteと連携するシステムの実装までをシームレスに行うことができ、効率的なシステム開発が可能となります。
新日鉄ソリューションズは、2009年9月に日本のSIerとしては初めて、ドイツ本社SAP AGでの"SAPバリュープロトタイピング"のサービスを利用したプロジェクトを開始しました。"SAPバリュープロトタイピング"は、本社組織に所属する経験豊かな技術陣が、依頼元の仕様に基づき短期間、低コストでプロトタイプシステムを開発するサービスです。新日鉄ソリューションズは、SAPバリュープロトタイピングメンバーと共同でSAP NetWeaver® BPMを用いた緊急受注出荷業務に関するプロトタイプシステムを構築しています。新日鉄ソリューションズは、今後も本組織と連携を密に図りながら、NetWeaver®製品群を最大限活用するサービス実装と、SAP®Business Suiteのエンタープライズサービス活用に関する技術知見の蓄積を行って参ります。 また、国内においても2009年12月より、SAPジャパン社内のCOIL Tokyoにおけるショーケースでの当該プロトタイプシステムの展示、お客様ニーズ解決に向けたコンサルティング、プロトタイピングの実施等を行っていく予定です。
新日鉄ソリューションズは、ERP導入においては、1990年代初頭から100社を超えるプロジェクトで業務モデリングを重視したシステム導入を行って参りました。また、SOA分野においては、2005年より複数の先行企業との実践的な取り組みで得た知見と複数のベンダー製品の活用知見をベースに、次世代工法「NSFLEASY」(エヌエスフリージー)を開発し、企業システム構築でのSOA適用を実践してきました。
新日鉄ソリューションズは、これらの知見を活かし、SAPアプリケーションの導入サービスに当たっていきます。今後も、製品ベンダー中立の立場でユーザー企業視点でのシステムインテグレーション事業の拡大に努めて参ります。
新日鉄ソリューションズは、本件に関連するシステムインテグレーション事業において、年間30億円の売上を目指します。
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