仕組債の理論時価を算出するASPサービスを開始

~金融派生商品(デリバティブ)の理論時価算定を低価格で提供~
新日鉄ソリューションズ株式会社(本社:東京都中央区新川二丁目20-15、代表取締役社長:北川三雄、以下 新日鉄ソリューションズ)と、仕組債の価値評価、リスク評価コンサルティングを手がける株式会社アップフロント(本社:東京都渋谷区東三丁目16-1、代表取締役社長:四宮淳、以下 アップフロント)は、仕組債の理論時価を算出するASPサービス「SCUTUM(スキュータム)オンライン版」の提供を本年2月20日より共同で開始いたします。

最近の金融市場の混乱で、流動性の低い金融商品の取引価格が理論価値に比べて極端に低下している事例が散見されます。特に通常の債券にスワップ等のデリバティブを組み込んだ仕組債は価値評価やリスク評価が難しく、本来価値がある債券についても会計上、実体より多額の減損処理を迫られるケースもあります。そこで、企業会計基準委員会(ASBJ)は、昨年10月に実務指針「金融資産の時価の算定に関する実務上の取り扱い」を出しました。実務指針においては、流動性が極端に低下した金融商品の時価算定の際には、取引価格ではなく理論時価の適用が可能であると再確認されています。この実務指針を契機に、仕組債を保有する一般事業法人、学校法人、年金基金において仕組債の時価評価のニーズが高まってきました。しかしながら、実際に自社で適正な理論時価を算出するためには数千万円程度のシステム投資が必要でした。
新日鉄ソリューションズとアップフロントは、高度な金融工学を駆使して地域金融機関向けの仕組債評価システム「SCUTUM(スキュータム)」を2007年10月に共同開発、既に金融機関を中心として8社に対してシステム納入実績があります。両社は今回の仕組債の時価評価ニーズを捉え、システム投資余力は無いものの保有する仕組債の時価評価やリスク管理を必要とする法人を対象として「SCUTUM(スキュータム)オンライン版」サービスの提供をこの度開始することにいたしました。
本サービスは「SCUTUM(スキュータム)」の一部の機能を切り出し、仕組債の理論時価の算出、リスク分析をインターネット経由で提供するものであり、アップフロントが主体となり提供します。本サービスの利用料金は、1ユーザー当たり 初期導入費用 30万円(税別)、基本月額使用料 10万円(税別)となります。仕組債の理論時価の算出にはマーケット標準の高度な金利モデルであるLIBORマーケットモデル(BGMモデル)等のモデルを使用しており適正価格を算出できます。また、リスク分析としてはストレステスト機能が備わっており、金利、為替、株等の市場レートを自由に変更して時価算出することができます。そのため、過去に実際に起こったアジア通貨危機やロシア危機等の極端に悪いマーケットシナリオにおける時価評価のシミュレーションを行い、リスク量を見積もることも可能です。更に、オプションサービスとしてより詳細な分析に基づく時価評価コンサルティングについても用意しています。
主な顧客としては、10億円以上の仕組債を保有する、一般事業法人、学校法人、年金基金、信金・信組等の小規模金融機関および監査法人などを想定しており、今後3年間で、100社程度の契約を目指します。

以上