TO THE FUTURE NSSOL STORIES TO THE FUTURE NSSOL STORIES

2021-07-06 働き方改革
TwitterTwitterでシェア FacebookFacebookでシェア

誰もが自律的に活用できる在宅勤務制度を導入

働く場所の自律的な選択を通じた、社員のWell-beingと柔軟で強い会社の実現に向けて

NSSOLでは2021年4月、在宅勤務制度を大幅に改訂し、アフターコロナでも全社員が働く場所を自律的に選択できる仕組みを導入しました。この改訂の背景には、様々な取り組みと学びがありました。
NSSOLでリモートワーク推進が開始されたのはコロナ禍の10年前に遡ります。制度の段階的拡充や環境整備、社員の経験値向上等に継続的にチャレンジしてきたことが実を結び、コロナ禍では大きな混乱なく原則在宅勤務へ舵を切ることができました。同時にデメリットや課題も見つかりましたが、課題に対処し、メリットを最大限に活かす運用をすることができれば、在宅勤務は社員のエンゲージメント向上や事業成長に大きく寄与すると判断し、今回の正式な制度改正に至りました。
NSSOLでは、新しい制度のもとで今後どのようにリモートワークを活用していくのか。これまでの取り組みの詳しい経緯を踏まえてご紹介いたします。

コロナ禍以前からリモートワーク推進に取り組み、全社員対象の普及イベントを展開

NSSOLでリモートワークに関わる取組が始まったのは2010年、労働組合からの在宅勤務制度導入の提案がきっかけでした。IT分野の恒常的な人材不足や、今後のさらなる労働人口減少を見据え、多様な人材が安心して働ける環境づくりが継続的な人材雇用に欠かせないと判断したことで、在宅勤務の試験導入を行うこととなりました。
結果、時間の有効活用(特に育児介護中の社員)や個人業務の生産性向上等の効果が認められ、また2011年から自社サービスとして展開している仮想デスクトップサービス「M³DaaS(エムキューブダース)」の活用により、セキュリティ面の課題もクリアできました。こうした結果を受け、2013年に育児者向け、翌年度に介護者向けの在宅勤務制度を導入し、以降、徐々に対象者や利用内容の拡大を図っていきました。また2017年にはサテライトオフィスを準備し、自宅以外からのリモートワーク環境の整備も進めてきました。

このようにリモートワーク推進活動を着実に進めてきた一方、実際に利用する社員は一部にとどまり、なかなか普及しない実態がありました。社員の多くはリモートワークのメリットを何となく感じていながらも、きっかけがなかったり、実務に影響がないか疑問や不安を感じていました。そこでまずは一人でも多くの社員がリモートワークを実際に体験できるよう、テレワーク・デイズなどの国民的活動に参加し、社内で普及イベントを行うことにしました。
2017、2018年度のイベントは5~20%程度の社員の参加にとどまりましたが2019年度は「リモートワークを体験したことがない社員を無くす」ことを目標に、原則全社員が在宅勤務またはサテライトオフィス勤務を実施すること(不参加の場合は理由を提出)とし、全社員が当事者意識を持って臨みました。その結果、全社員約3000人相当となる延べ約3000人が参加し、社内のリモートワーク経験値を大幅に向上させることができました。

これまでの取り組みが、コロナ禍による「原則全社員在宅勤務」への切り替えを支えた

2020年のコロナ禍に際しては社長をトップとする対策本部を立ち上げ、「全社員原則在宅勤務(出社は届け出制)」に迅速に切り替えました。2010年から継続的に制度検討や環境作りをしてきたこと、イベントへの参加を通じて社員の多くがリモートワークを経験していたことが下地となり、大きなトラブルなく働き方を移行することができました。

緊急事態宣言中の在宅勤務実施頻度(部署別週平均日数)

原則在宅勤務化した最初の緊急事態宣言中において、96%の部署が週1日以上の在宅勤務を実施、週3日以上でも84%にのぼりました。通常時の会議はもちろん、社内外を問わず大規模なセミナーや、内定式等のイベントも次々にオンラインに切り替えていきました。
2020年9月に実施した全社員アンケートでは、回答者の8割近くが在宅勤務での業務成果は出社時と比べ「維持」または「向上」したと回答し、働きやすさ・業務改善等のメリットも多数寄せられました。
以降も在宅勤務活用を継続し、コロナ禍の出社者抑制にも寄与し続けています。

<参考>
新型コロナウイルス(COVID-19)対応にあたっての出社者数の抑制について(2021/5/31時点)(PDF:448KB)

オンライン内定式の様子

ただし、大部分の社員が在宅勤務を活用できているとは言え、緊急事態宣言下においても在宅勤務ができない社員が一定数いることは重く受け止めており、これを限りなく減らすことをリモートワーク推進活動の第一に位置付けました。ペーパーレス化をはじめとした、阻害要因解決の取り組みを強力に進めています。

コロナ禍で普及したリモートワークを、発展的に活用していく

従前からリモートワークに関する取り組みを進めてきたものの、通常であれば全社への普及には何倍もの時間がかかっていたと思われます。コロナ禍がリモートワーク推進を加速させたとも言えます。
従来の業務プロセスの見直しによる効率化や、削減された時間を活用した生活の充実等、働き方改革における効果も大きく、大多数の社員がリモートワークのメリットを実感することができました。全社アンケートでは、「Afterコロナでも柔軟に在宅活用できることでモチベ―ションが上がると思うか」という問いに対して、回答者の約9割が肯定の回答をしています。
リモートワークは、以上のように社員のWell-beingの実現にメリットがあると同時に、出社困難な状況下でも事業継続できる強い会社作りにつながり、経営上も重要な事項であると捉えています。

ただ一方で、リモートワークが長期化したことで見えてきたデメリットや課題もありました。特に、コミュニケーションの減少による社内・組織内の連帯感への影響が心配されます。会社全体の一体感醸成のために経営層と社員の座談会を開催して経営の声を全社に発信したり、各組織で使えるコミュニケーション活性化の工夫事例を全社に共有したりと、社内のコミュニケーション強化を進めています。加えて、リモートワーク下ではマネジメントの在り方も変わってくるため、新しい働き方に対応したマネジメントの要点を社内研修に取り入れています。
また、コロナ禍では感染予防のために在宅勤務を優先しましたが、本質的にはすべての業務を在宅勤務で行うことが最適なわけではありません。出社・在宅それぞれにメリット・デメリットがあり、組織の成熟度や業務特性、個々人の状況を自律的に見極めて、バランスよく活用していくことが非常に重要です。コロナ禍に気づきを得た在宅勤務のメリットを維持しつつ、従来の出社勤務のメリットも最大限に活かす使い分けができれば、よりよい働き方につながっていくでしょう。
冒頭に記載の通り、NSSOLでは自律的な選択の前提として、2021年4月に在宅勤務制度を改正し、全社員に制度上の日数制限無しの在宅勤務を認めました。新しい制度のもと、リモートワークをさらに高度化し、社員のエンゲージメント向上や事業成長につなげるためには、各組織の業務特性や成熟度等に合わせた自律的な方針策定や、個々人の自律性、高度なマネジメント能力が必要です。そこで、出社と在宅の最適な使い分けに向けた実用的なガイド・ノウハウを社内に共有し、職場単位でリモートワークの活用方針を定義する活動を行うとともに、各種社内研修においてリモートワークにおけるマネジメントの要点を取り入れています。

NSSOLでは今後も、コロナ禍で広がった在宅勤務の習慣を引き継ぎながら、課題を発展的に解消して最適な活用方法を見出し、より一層働きやすく働きがいのある環境作りを目指していきます。

*トップ画像はZoom Video Communications, Inc.のZoom Cloud Meetingsより引用しています。
*NSSOL、M³DaaSは、日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。

関連リンク