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2018-10-17 イベント
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3年後のビジネスにつながる研究とは?

~NSSOLの研究員がTech Playに登壇~

テクノロジーに関わる様々なイベントや勉強会が開催されているTECH PLAYで、NSSOLが初めて勉強会を開催。150人定員に対し180名を超える応募があった2018/9/19 @TECH PLAY渋谷の様子をレポートします。

今回TECH PLAYでの勉強会はNSSOLの初の試み。本当に参加者が集まってくれるか、スタッフ全員が心配するなか当日を迎えた。
「今日お集まりの皆さんのなかで、新日鉄住金ソリューションズを知っていた方どのくらいいますか?」、冒頭司会からの質問に参加者の半数の手が挙がった。
「当社はよくカタそうなイメージと言われがちなのですが、研究所での先進的な取り組みなど、やわらかくて面白い一面があることを皆さんに知ってもらえたらうれしいです。」

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当日は「AI」をテーマにシステム研究開発センター(以下、シス研)の研究員から2つのプレゼンテーションが行われた。

プレゼン①:AI開発プラットフォー「KAMONOHASHI」とは何か及びその内部構造の紹介

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シス研で開発されたAIを活用したアプリケーション開発を容易にする画像認識プラットフォーム「KAMONOHASHI(カモノハシ)」について開発リーダーの小林統括研究員が登壇した。
「シリコンバレーにあるNS Solutions USAに赴任していた頃、Deep Learningがもつ大きな可能性を感じ、2014年秋に帰国し、シス研でこの領域での技術検証を始めました。」
AI、機械学習、Deep Learningなど2018年はAIを具体的な業務に適用するケースが増えているが、2014年の日本ではそれほどホットなキーワードではなかった。シス研は「3年後のビジネスにつながる研究」を行う研究所。「KAMONOHASHI(カモノハシ)」も2017年には具体的なプラットフォームとして形づくられた。

(参考)
「KAMONOHASHI」が世界を変える ――画像認識プラットフォームが導く未来――

AI開発するプロセス

「AI開発するプロセスは一般的にこのようなプロセス(上図)をとります。 AI開発において必ず課題となってくるのが、①環境設定、②リソース、③再現性の3つだと考えています。それらを解決するのがKAMONOHASHI(カモノハシ)です。」
元々、研究所内でのAI開発において起きていた問題を解決するために作られたというプラットフォーム。これまでの手ごたえについて、「AI開発に携わる開発者には大変好評だ」と、小林統括研究員は語った。

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当日は、具体的な機能や内部構造などのディープな内容をデモも交え開発メンバーである雄郷研究員が説明した。
「『AIエンジニアをAIチームへ』という想いをもって、このプラットフォームを作ってきました。」
KAMONOHASHIの内部構造を誰よりも理解していると評される雄郷研究員は、AI開発の3つ課題、①環境設定、②リソース、③再現性について、具体的にどのように解決するのかを具体的アーキテクチャーやデモも交えてレクチャーした。

プレゼン②:現場をアシストする技術としてのAR/VRの利用とそれを支えるAIの適用事例

「笹尾はAR界隈では結構有名な研究員なのです」司会からそのように紹介されマイクを受けとった笹尾統括研究員。
「AR技術については2009年から本格的に研究を始めました。当時、ARの技術は個人向け、特にエンタメ向けで先端的な技術として注目され始めていましたが、私は当初からBtoB向け、つまり企業の業務向けに使えないか、という観点で研究を進めていました。」
「具体的には、製造や物流を中心とした現場での活用を考えたので、スマートフォンなどの手に持たなければいけないデバイスでは業務に支障がでるため、ハンズフリーを実現できるARメガネ、いわゆるスマートグラスを中心に研究しました。」

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ARメガネメーカー

「2011年にはARメガネメーカーであるVuzix社とARメガネを共同開発。その後もお客様の作業現場でAR技術を活用するための実証プロジェクトを多数進めてきました。」
2011年当時、ARメガネの価格は大変高価なうえ、重さ・連続稼働時間などの性能面での課題もあり、本番適用には至りませんでした。2014年に入り価格・性能ともに実用レベルに近づいてきたこともあり、NSSOLでは、2014年6月に業界でもいちはやく、作業現場におけるAR技術・スマートグラスを活用するための導入検証サービスを開始しました。

(参考)
新日鉄住金ソリューションズ、スマートグラスの現場利用に向けた導入検証サービスを開始

笹尾統括研究員が所属するイノベーティブアプリケーション研究部では、SIerではイメージしづらい、様々な新しい技術の実証研究を行っている。最近のホットなテーマはロボティクス・AIだという。
「ARやVRという技術は、ロボティクス・AIと密接につながっている技術です。」

当日はARとVRを組み合わせたMR技術を活用しロボットを自走させた実証実験を紹介した。

(参考)
世界初、HoloLensで自走するPepper ANA x NSSOL空港業務における人とロボットのコラボレーション検証を開始

また、最近の取り組みとして、お客様と共同開発した「アバターシステムを実現する人型ロボット」についても紹介した。

(参考)
アバターシステム型ヒューマノイドロボット「5G FACTORYⅢ」の開発舞台裏

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「新しいガジェットはいち早く試してみる」おもむろに取り出した帽子をかぶる笹尾統括研究員。「天の声が聞こえる」という不思議な帽子だという。当日は聴講者の一人にも着用してもらい実感してもらった。
実は帽子の中に骨伝道の接触部分が内蔵されており、騒音でうるさい現場においても、しっかりと警告メッセージが伝わる。
「さまざまな現場で、作業員の危険を事前に察知し、ちゃんと伝えるためにはこういったデバイスも有益だと考えている。」

製品を作らないシステムインテグレーターが研究所を有しているのは珍しい。
基礎研究ではなく、お客様のビジネスに役に立つ技術の検証、「3年後のビジネスにつながる研究」を志向している研究所。シス研で培った技術知見が、例えばNSSOLのIoT分野である新しいビジネス「IoXソリューション」として結実されている。

(参考)
新日鉄住金ソリューションズ、IoXソリューションの提供を開始

NSSOLの初の試みとなったTECH PLAYでのテックカンファレンス。
今後も社会に価値あるソリューションを提供し続けていくための技術の取り組みをご紹介していく予定です。

広報・IR室 プロフェッショナル 鹿島 亜紀彦

当日、ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。
これからも当社ではシステム研究開発センターの研究成果を発表できる機会を増やしていきたいと思っています。

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