発電所におけるスマート保安を実現するための通信インフラ基盤として九州電力に対してローカル5GとWi-Fiをベストミックスした自営無線ネットワークを商用導入
日鉄ソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:玉置 和彦、以下「NSSOL」)は、発電所のスマート保安を実現するための通信インフラ基盤として、九州電力株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:池辺 和弘、以下「九州電力」)に、ローカル5GとWi-Fiをベストミックスした自営無線ネットワークを導入しました。
九州電力 松浦火力発電所の概要
1号機 | 2号機 | |
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運転開始 | 1989年6月 | 2019年12月 |
出力 | 700,000kW | 1,000,000kW |
燃料 | 石炭 | 石炭 |
出典:九州電力株式会社
発電所の運営には、需給バランスを見て電力を安定供給するための燃料の供給調整や、タービンやボイラーといった発電設備の制御に加え、それらを安定稼働させるための設備状態の監視、定常時・異常時における設備のメンテナンス作業、目視による所内の見回りといった保安作業が欠かせません。
少子高齢化や人口減少によるなり手不足やカーボンニュートラル対応などの社会課題、設備の高経年化に伴う故障リスクの増大などの背景を受けて、電力各社ではデジタル技術を活用してこれら保安作業の高度化を実現する「スマート保安」に向けた取り組みを活発化させています。
出典:2022年4月25日 電気事業連合会「電力業界におけるスマート保安の取組について」
九州電力では、これらのスマート保安を実現するために、通信インフラを整備することは不可欠な要素と捉え、将来のユースケースや経済性、拡張性を踏まえ、手戻りのない最適な自営無線ネットワークの導入を進めています。
NSSOLは、これまで製造業をはじめとする幅広い業種・業界の企業に対して自営無線ネットワークを構築してきた知見とノウハウを踏まえ、九州電力のニーズを実現するために以下のポイントでシステム導入を行いました。
今回の自営無線ネットワークにおけるポイント
- 電波利用環境とユースケースの特性に応じて、ローカル5GとWi-Fiをベストミックスしたネットワークを構築
- 発電所内に数十か所ある建屋間の通信にローカル5Gを適用することで、光ケーブルの工事費を大幅に削減
- ローカル5Gには、グローバル導入実績が豊富で高性能・高信頼性・高拡張性を有する製品を採用
- データセンターに設置したローカル5Gコアシステムを共通基盤として利用することで、今後の他の火力発電所や原子力発電所への拠点拡張に対しても、統一的な運用が可能なシステムとして導入
- 拠点側のWi-Fiには、グローバル実績が豊富で防爆対応製品ラインアップも有する製品を採用
- バックホールには低消費電力が可能なスイッチ製品である、Passive Optical LAN技術を採用
- ローカル5G接続用の固定型端末を数十台導入し、発電所全域を漏れなくエリア化
- 設備側ネットワークからの攻撃、SIMのなりすまし等への対応として、ローカル5G専用のエンドポイント・セキュリティ製品を全端末に導入
利用環境に応じたネットワークのベストミックス導入のイメージ
システム構成イメージ
発電所内に数十か所ある建屋間の通信にローカル5Gを適用することで、光ケーブルの工事費用を大幅に削減
全体システム構成図
コアシステムを共通基盤として利用することで、他拠点への拡張に対しても統一的な運用が可能なシステム
今回NSSOLは「手戻りのない最適なベストミックスネットワーク」というコンセプトのもと、多様な技術を取り入れた自営無線ネットワークを構築しました。NSSOLは引き続き導入システムの保守や拡張対応を通じて、九州電力のスマート保安の実現を支えてまいります。
今後もNSSOLは「Social Value Producer with Digital」をビジョンに掲げ、アプリケーション・基盤・通信を含めたトータルDXソリューションを提供し、日本のインダストリー4.0の実現に貢献していきます。
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