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2018-11-20 DX 働き方改革
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【対談】働き方改革という発想から「Lumisis(ルミシス)」を活用。知識労働の非定型業務を効率化へ

~事業部×シス研 社内コラボでの活用事例の紹介~

左:園部 勲さん 右:豊島 正大さん

多忙なプロジェクトリーダーにとって、タスク管理票のレビューに割く時間を何とかしたい、という切実な悩みがあります。Lumisisはそんなリーダーに代わってタスク管理票をレビューするAIシステムです。

<Lumisis紹介動画(1分49秒)>

当社の流通・サービスソリューション事業部では、システム研究開発センターが開発した、働き方改革や生産性向上の検討をしている中でプロジェクトのリーダーの業務を代行するAI「Lumisis(ルミシス)」に注目し、実証実験を開始しました。その効果と、さらなるLumisisの可能性について、園部 勲さん(Lumisisの開発者)と豊島 正大さん(流通・サービスソリューション事業部)が紹介します。

知識労働・非定型業務領域の働き方改革に資するソリューションが欲しい

園部:Lumisisを導入するにあたって、事業部の課題はどのようなものだったのでしょうか。

豊島:私の事業部ではお客様ごとにグループがあるのですが、私はそれらのグループの横断組織の中でAI領域のコンサルティングや技術検証をしています。そこではお客様や自分たちの働き方改革、生産性向上をAIでなんとかしたいとよく相談されます。

園部:一概に働き方改革や生産性向上といっても様々な業務があってITで効率化ができる部分とそうではない部分がありますよね。

豊島:そうなんです。そこで、私たちは業務を、定型・非定型作業の軸、知識労働と作業労働の軸の4象限に分けて、それぞれに合うソリューションを適用しています。まず、定型の作業労働の象限に対して私たちはRPA(Robotic Process Automation)を活用したソリューションを持っています。知識労働で定型の象限にはチャットボットを適用しようと研究を進めています。あともうひとつ、知識労働の非定型の領域にもソリューションがほしいと思っていました。

園部:なるほど。豊島さんがLumisisを知るきっかけとなったのは研究内容の紹介でシス研にいらっしゃった時でしょうか?

豊島:そうです。今年(2018年)の3月でした。園部さんから働き方改革や生産性向上に有用な技術の紹介を頂いた中にLumisisがあり、非常に興味を持ちました。それまでにRPAを開発プロジェクトに適用する取り組みなどを行っていましたが定型作業は限られており、そういった中でLumisisであれば非定型の業務にも刺さるんじゃないかと考えてパイロットプロジェクトを立ち上げました。

園部:プロジェクトの規模は?

豊島:プロマネがいて、開発チームリーダがいてメンバーがいるという全体で70名ほどの短周期開発のプロジェクトです。

園部:そのプロジェクトで改善したかったのはリーダーの業務効率化でしたが具体的にはどのような問題を抱えていたのでしょうか。

豊島:例えば、メンバーがプロジェクトの課題をタスク管理票というドキュメントに残し、リーダーがそれを定期的に棚卸しして、メンバーにタスクを割り振ることでチームを運営しています。この時にリーダーが個々の課題の内容を理解できないとメンバーに聞きに行っていました。ただでさえ忙しいリーダーなので、この時間がもったいないんですよね。これまでも、メンバーのドキュメントの質を上げるためにテンプレートを用意したりしたのですが、書いてほしい欄が空白だったり、内容が薄かったり。そのうちに定着しないまま使わなくなってしまいました。

園部:まさにLumisisが解決できる課題です。

メンバーに定着し、リーダーの業務効率が改善

豊島:今年(2018年)の6月にLumisisの実証実験を開始しました。実証実験第一弾ではレビュー結果が人間よりも厳しめになる苦手な文章パターンがあることが分かりました。この課題に対して、日付表現や箇条書きといった文章も精度よく認識できるように改善してもらったり、レビューアルゴリズムの精度を改善してもらって、現在は実証実験第二弾が始まっています。改善してもらったおかげで、妥当なレビュー結果が出るようになりました。

園部:よかったです。そういった改善要望は現場のニーズがわかるので言っていただけると嬉しいです。導入してみての効果はいかがでしょうか。

豊島:業務効率化に関して、課題の発生から解決までにかかる日数が、導入前は平均18日だったものが、導入後は平均10日に短縮されました。他にも、メンバーが課題について深く考えて文章を書くようになったことで、細かく口出しをせずともメンバーを信じて任せても大丈夫という気持ちが強くなったというリーダーの意見もありました。チームの働き方のよい変化ですね。

園部:それはよかったです。Lumisisがレビューを肩代わりすることで、リーダーがドキュメントを読む時点でリーダーの欲しい情報が揃った文章になり、結果的に意思決定が早くなったことと、メンバーがLumisisのレビューを繰り返し受けるうちに、リーダーの考え方を自然に学んだことによる効果かと想像します。レビューの評価基準とは、このリーダーが欲しい情報のことであり、リーダーごとに異なるのであらかじめ機械学習を用いて作りLumisisに設定しておきます。

豊島:メンバーがドキュメントをタスク管理システムに登録すると自動的にLumisisがレビューするのですが、登録した瞬間にレスポンスがありますよね。そうするとメンバーも全部「まる」をもらうまで攻略してやろうという気持ちになるようです。まあ、その前にチャット画面を通じてレビュー結果がメンバー全員に公開されるので、本人も直さざるを得ないのですが(笑)。そういったゲーム感覚も持ちながらドキュメントをブラッシュップしているようです。

園部:リーダーの効率化もできて、メンバーも楽しんで使ってもらっているようで嬉しいです(笑)

豊島:このドキュメントをレビューする機能というのかなり先進的で高度な技術ですよね。

園部:ありがとうございます。シス研の長年の人工知能技術の研究が活きていると思います。

豊島:次は自動レビューに加えて自動タスク管理にも新しくトライしてみたいですが、これはLumisisが自律的に日々のタスクを棚卸しして教えてくれたり、夕方になると日報を上げるようアナウンスしてくれたりする機能です。Lumisisが全部自律的に知らせてくれるので、更なるリーダー業務の効率化に役立つと期待しています。

園部:これまでもいいシステムをつくっても定着させるのに苦労してきたので、LumisisではAI技術関係なく現場で役立つ機能であることと、無理なく使い続けられることをすごく意識しました。

豊島:なるほど。自律性であるとか、チームに合わせてドキュメントのレビュー基準を変えることができるとか、Lumisisは柔軟性があるので事業部とシス研が二人三脚で意見を出し合いながら"使える"ソリューションとして共創していけるのがいいと思っています。今後は他のプロジェクトチームにも展開してさまざまなユースケースをつくっていきたいと思っています。

園部:はい、ぜひ、お願いします。この記事を読んでLumisisに興味をもれた方がいらっしゃったら、ぜひお問い合わせください。

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