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ファンド商品の収益分析を精緻化 複雑な費用配賦をローコードで実装

アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社様(旧社名:日興アセットマネジメント株式会社)

プロジェクト概要

背景

さまざまな国・地域で運用するファンドの収益性をより精緻に把握するためには、資産運用にかかる多様な間接費を数千のファンドに対して適切に配賦する仕組みが必要だった。

ソリューション

シナリオプランニング及び分析プラットフォームの「Anaplan」を活用して管理会計システムを刷新。ローコードで間接費を配賦するロジックを実装し、ファンド単位の収益を精緻に分析できるようにした。

成果

個々のファンドの収益分析から得られた気づきを基に経営改革のスピード感が高まった。新しい管理会計システムのデータは、新商品の損益シミュレーションにも応用する予定。

収益分析の精度をより高めたい

三井住友トラストグループの資産運用会社として13の国・地域に事業展開するアモーヴァ・アセットマネジメント(2025年9月に日興アセットマネジメントから社名変更)は、各国・地域の投資家ニーズにマッチしたサービスをさらに強化する戦略を打ち出している。この一環として、グローバルで運用する約2000ファンドの収益分析を迅速化・精緻化するために、シナリオプランニング及び分析プラットフォームの「Anaplan(アナプラン)」を活用して新しい管理会計システムを構築した。
財務企画部長の池田 俊一氏は、Anaplanの導入経緯についてこう語る。「資産運用業界の経営環境が大きく変化するなか、私たち財務企画部としては、経営陣が迅速に意思決定できるよう、分析やレポーティングの精度をさらに高めていく必要がありました」。しかし、以前使っていた管理会計システムでは、資産運用に関わる間接費(人件費や情報システム費など)を一定のロジックに従って各ファンドに配賦する機能がなく、「国や部署ごとに手作業で間接費を配賦して収益を分析していました。この非常に複雑な作業をデジタル化するため、新たな管理会計システムの導入が不可欠でした」(同)。

アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社 財務企画部長 池田 俊一氏
アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社 財務企画部長
池田 俊一氏

配賦ロジックを柔軟に構築可能

新システムのプラットフォームとして、アモーヴァ・アセットマネジメントがAnaplanを選んだ第1の理由は、「当社の複雑な業務に対応した間接費の配賦ロジックを、ノーコードあるいはローコードで柔軟に構築できる点です」と財務企画部企画グループマネージャーのアディ・ウィディヤットモコ氏は説明する。「間接費の配賦ロジックは、マーケットの変化などに合わせて随時変更する必要があります。もしパッケージソフトを採用していたら、新しい要求が出てきたとき、ITベンダーに配賦ロジックの修正を依頼しなければならないでしょう。しかし、配賦ロジックをAnaplanのプラットフォーム上にローコードで内製化していれば、部署内で素早く対応できます」(同)。
このプロジェクトのITパートナーには日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)が選ばれた。NSSOLは金融業界でAnaplanの豊富な導入実績があり、高い専門性を持つ点が評価された。池田氏は「当初、本当にこれらの複雑な要件を実現できるのか、実現できたとしても持続性のある設計ができるのか、いずれにしても難しいプロジェクトになるだろうと考えていました。しかし、NSSOLは対話を通じて、私たちのアイデアがどのようにすれば実現できるか常に複数の案を示し、翌週にはAnaplan上で動作するプロトタイプを完成させるなど、スピード感のある構築力を見せてくれました」と振り返る。

アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社 財務企画部 企画グループマネージャー アディ・ウィディヤットモコ氏
アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社 財務企画部 企画グループマネージャー
アディ・ウィディヤットモコ氏

詳細な損益把握により迅速な判断

2025年1月、アモーヴァ・アセットマネジメントはAnaplanを活用した新しい管理会計システムを稼働させた。最大の成果は、収益性分析の最小単位となるファンドごとに営業利益(マージン)を迅速かつ精緻に計算できるようになった点だ。「個々のファンドの収益性が明確になり、どの営業部門のどういった資産クラスのファンドによる収益貢献が大きいのかが判明しました。事前の仮説と異なる収益性のファンドも20~30%ほど存在することが明確になるなど、我々だけでなく経営層や現場の営業部門にとっても多くの気付きがありました。この結果を受け、経営改革のスピード感が高まっています」と池田氏は指摘する。
今後の展開について、ウィディヤットモコ氏は「Anaplan上に管理会計データを基盤とした収益予測モデルを構築し、2025年8月から新商品の損益シミュレーションを始める予定です。これにより収益性の高いファンドを開発できるだけでなく、投資家の方々に対してもコストの透明性が高い商品を提供できると考えています」と話す。アモーヴァ・アセットマネジメントは、新システムを通じて判明したコスト構造の課題解決に取り組んでおり、既にいくつかのプロジェクトチームが始動を開始しているという。
池田氏は「将来的には社内に分散している経営情報を統合・分析するために、Anaplanを活用したいと考えています。当社が唯一無二のユニークな資産運用会社を目指すうえで、今後ともNSSOLには支援してほしい」と語る。

コアテクノロジー

●金融に関する業務知見、シナリオプランニング及び分析プラットフォーム「Anaplan」の導入・活用ノウハウ

システム概要

●シナリオプランニング及び分析プラットフォーム「Anaplan」

関連SDGs

SDGs 10

グローバル企業としてダイバーシティーを尊重

SDGs 17

サステナビリティーを考慮したファンド商品の提供

Anaplanを活用した管理会計システムの概要

・NS(ロゴ)、NSSOL、NS Solutionsは、日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。
・その他本文及び図表内に記載の会社名及び製品名は、それぞれ各社の商標又は登録商標です。

アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社様(旧社名:日興アセットマネジメント株式会社)

本社: 東京都港区赤坂9-7-1
設立: 1959年
資本金: 173億6300万円
運用資産総額: 34兆9882億円(2025年3月末時点)
就業者数: 連結960名(2025年3月末時点)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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