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基幹ホストをモダナイゼーション 独自の設計思想で内製化を実現

日新火災海上保険株式会社様

プロジェクト概要

背景

基幹ホストシステムには、ホスト系人材の枯渇リスクやシステムの価格高騰リスクなどがあり、日新火災海上保険株式会社はオープン系システムへの段階的なモダナイゼーションの必要性を認識していた。

ソリューション

第1弾として「労災あんしん保険」のシステムをリビルドし、2023年7月に稼働させた。ホスト系技術者による内製化を実現するため、ホストの設計思想を踏襲しつつ、オブジェクト指向技術を取り入れた。

成果

プロジェクトの成功により、今後のモダナイゼーションと内製化を進めるための基盤を整備できた。今後10~15年かけて、ホストシステムからの脱却を目指す。

ホストの継続利用リスクを軽減

東京海上グループで損害保険の国内リテール市場に軸足を置く日新火災海上保険株式会社(以下、日新火災)は、2018年から基幹ホストシステム(計13システム、約1220万ステップ)のモダナイゼーションを進めている。
その狙いについて日新火災情報システム株式会社システム開発1部契約計上システムグループ課長の安川 真斗氏は、「ホストシステムが抱える5つの課題を解消し、システムの柔軟性、開発スピード、保守性をそれぞれ向上させること」と話す。5つの課題とは、ホストの継続利用によって生じる「ホスト系人材の枯渇リスク」や「ホストの価格高騰リスク」、ホストシステムの老朽化に伴う「ブラックボックス化」と「保守運用の負担増」、そして近年運用しているネット販売用Webシステムと従来のホストシステムとの「二重開発」である。
これらの課題を解消するため、日新火災はモダナイゼーションの手法として「リビルド」を選択した。機能仕様は変えずに、Java、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)連携、ローコード開発、クラウドなどを取り入れた最新のアーキテクチャーで再構築する考えだ。
この大規模なモダナイゼーションプロジェクトを推進するにあたり、同社はパートナーとして日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)を選んだ。日新火災でオンプレミスシステムの基盤構築に携わってきたNSSOLの実績やモダナイゼーションに関する技術力を評価してのことである。

日新火災海上保険株式会社 IT企画部 企画グループ 課長 國廣 達成氏
日新火災海上保険株式会社 IT企画部 企画グループ 課長
國廣 達成氏

スキルチェンジを容易にする工夫

2019年に日新火災とNSSOLによるプロジェクトがスタートすると、約2年かけて綿密なアセスメントやデータモデリングを実施し、新しい基幹システムの全体像とアーキテクチャーを設計した。
この段階で重視したのは、今後の開発・保守の在り方を見据えたアーキテクチャーの設計だった。「新基幹システムで開発スピードや保守性を高めていくために、ホスト担当技術者をオープン系にスキルチェンジして、システム開発を内製化していく方針です。これを円滑に進めるため、従来のホストシステムの設計思想をある程度踏襲しながら、そこにオブジェクト指向的な要素やAPI連携をうまく取り入れていきました。ホストとオブジェクト指向の両方に知見を持つNSSOLの協力により、日新火災オリジナルのアーキテクチャーを構築できました」と安川氏は語る。
このアーキテクチャーに基づき、2021年にモダナイゼーションの第1弾として「労災あんしん保険」システムのリビルドを開始した。労災あんしん保険を選んだ理由は、システムの規模がさほど大きくなく、比較的新しい保険商品なのでブラックボックス化していなかったためだ。
基本設計の段階では、アーキテクチャーの検証を目的とした試作を実施した。日新火災情報システムの高橋 徹氏(システム開発1部満期証券システムグループのリーダー、主任SE)はこう話す。「詳細設計の直前に、NSSOLから『先行開発』を実施したいと提案され、詳細設計からテストまでの工程を1カ月サイクルで3回実施しました。この先行開発を通して、実際の開発作業でどんなところに問題が起こるのか、事前に課題を洗い出せました。NSSOLが先を見据えたプロジェクト運営をしてくれた点が良かったと感じています」

日新火災情報システム株式会社 システム開発1部 契約計上システムグループ 課長 安川 真斗氏
日新火災情報システム株式会社 システム開発1部 契約計上システムグループ 課長
安川 真斗氏

新商品の迅速な提供にも期待

労災あんしん保険のシステムは2023年7月にリリースされた。具体的な成果が出るのはこれからだが、安川氏は「今後のモダナイゼーションと内製化のための基盤を整備できました。NSSOLが日新火災に寄り添って、ディスカッションを積み重ねてこれたからこそ、今回の成果にたどり着けました」と評価する。
日新火災は今後、労災あんしん保険での成果を自動車保険や新種保険商品などに展開しつつ、最終的に10~15年でホストシステムからの脱却を目指す構想だ。日新火災のIT企画部企画グループ課長である國廣 達成氏は、「モダナイゼーションの範囲が広がり、ホスト担当技術者のスキルチェンジが進めば、新商品開発スピードの向上にも貢献すると期待してします。当社としては経験のない大規模プロジェクトなので、今後ともNSSOLには、お客さまへ安心をお届けする保険商品を安定的・継続的に提供するため、さまざまな面で支援してほしい」と期待を寄せる。

日新火災情報システム株式会社 システム開発1部 満期証券システムグループ リーダー 主任SE 高橋 徹氏
日新火災情報システム株式会社 システム開発1部 満期証券システムグループ リーダー 主任SE
高橋 徹氏

コアテクノロジー

●ホストシステムのモダナイゼーション、アーキテクチャー設計、オープン系のシステム基盤構築

システム概要

●損害保険サービスの基幹システム

関連SDGs

SDGs 9

保険サービスの提供を通じて持続可能な社会を実現する

SDGs 11

自然災害リスクの増加に備え、安全な生活環境を支援する

モダナイゼーションを段階的に実施している基幹システムの構成

・NS(ロゴ)、NSSOL、NS Solutionsは、日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。
・その他本文及び図表内に記載の会社名及び製品名は、それぞれ各社の商標又は登録商標です。

日新火災海上保険株式会社様

東京本社: 東京都千代田区神田駿河台2丁目3番地
創業: 1908年6月10日
資本金: 101億円
従業員数: 2092名(2023年3月31日現在)
代理店数: 1万549店(2023年3月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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