本社サーバー群の災害対策強化へデータバックアップ環境を刷新

株式会社良品計画様

プロジェクト概要

背景

・データセンターから本社にサーバーを移設して保守運用費を削減
・災害に備えるため、遠隔地にデータを補完できる仕組みの確保

ソリューション

・重複除外技術を備えたバックアップストレージシステムの採用
・WAN回線などは既存のものを利用し、効率的に投資

成果

・保守運用を効率化しながら、計画通り災害対策を強化できた
・バックアップの処理時間を8分の1にまで高速化
・データ保存容量は従来の20分の1に減少

  • サーバーの本社移設に際して火災などへの対策強化を検討

    「無印良品」などの運営を行う良品計画は、2008年ごろから、できるだけ自社でサーバーを保守運用する方法を検討し始めた。しかし、本社でサーバーを運用する方法は災害対策の面で不安があった。免震プラットフォームの導入などでサーバールームの堅牢性は強化できたが、火災のような災害が発生したときもシステムを復旧できるようにしておく必要がある。
    そこで同社が選択したのが、新日鉄ソリューションズの提案による、重複除外バックアップストレージシステム「EMC Data Domain」を使ったシステムである。同製品はディスクベースのバックアップストレージで、重複除外および差分ブロック転送技術により最新のデータを遠隔地へ効率的に複製できる。本社が災害に見舞われたときは、複製したデータを使ってシステムが復元可能になる。

  • 重複除外ストレージを使って最新のデータを遠隔地に保管

    Data Domainは、2010年5月中旬から部分的に利用を開始した。7月からはデータセンターに置いたData Domainへの複製をスタート。8月から全面運用を始めている。
    新しい環境では、本社で稼働するサーバー群のデータを本社のData Domainを使って統合的にバックアップする。本社のData Domainはバックアップされるデータを常にモニターしており、重複しない差分のみをデータセンターに設置したData Domainへ転送する。
    WAN回線やバックアップソフトは既存のものを使って投資を効率化した。WAN回線は帯域制御で夜間のみ利用帯域を広げ、昼間の通常業務への影響を回避している。
    「多数の部署が利用する会計サーバーでは、移設日程の策定に手間取り、計画より遅れて移設せざるを得ませんでした。しかし、新日鉄ソリューションズのサポートによって影響を最小限に抑えることができました」(情報システム担当者)

  • 処理時間は8分の1、データ量は20分の1に

    災害対策の実現に加えて、新しいバックアップ環境は予想以上の成果をもたらしている。
    まずディスクバックアップによる高速化で、従来は最大8時間かかっていたバックアップ処理が約1時間で完了するようになった。重複除外の効果も大きく、データ保存容量は従来の20分の1に減っている。
    また、テープ交換やトラブル対策など保守運用の負荷が軽減されたため、IT部門のスタッフは、社内活動などの別の業務に多くの時間を割り当てることができるようになった。

コアテクノロジー

DR、レプリケーション、重複除外、既存の運用を生かしたバックアップ統合

システム概要

●DR向けストレージ:
 EMC Data Domain DD630(SATA 1Tバイト×7、RAID6)
●DR 対象:
 6 システム(プラットフォーム:Windows、Linux)
●バックアップソフトウエア:
 Symantec Backup Exec、CA ARCserve Backupなど
●対象容量:
 約4.2Tバイト(非圧縮)

株式会社良品計画様

本社:東京都豊島区東池袋4-26-3
設立:1989年
資本金:67億円(2010年2月28日現在)
営業収益:単独1427億円/連結1643億円(2010年2月期)
従業員数:単独1218名(2010年2月28日現在)
グループ会社:子会社17社、関連会社1社

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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