航空機エンジン事業の本格展開へ新システムで設計データの管理を体系化

株式会社本田技術研究所様

プロジェクト概要

背景

航空機エンジンの設計事業の本格展開に際して、設計データを体系的に管理できる仕組みを求める。

ソリューション

・設計データを最新のPDMシステムで管理する。
・システム導入に加え、運用ルールの整備などを行い、現場が利用しやすい仕組みにする。

成果

・全エンジニアが最新の設計データを効率的に共有できるようになり、設計業務の見える化が実現した。

  • 設計データの体系的な管理へPDMシステムの導入を検討

    本田技術研究所の航空機エンジン設計は、自動車/二輪車のノウハウを生かし、1986年に着手した新しい事業である。航空機エンジンの開発では、量産化までに多くのテストと許認可が必要になるなど自動車に比べると複雑だ。事業の本格展開に伴い、プロジェクトに参加するエンジニアも多彩になる。その中、最新のPDM(Product Data Management)システムの導入を目指した。
    最も重視したのが幅広いCAD(Computer Aided Design)データへの対応だ。設計データは、同社からサプライヤーへ提供するだけでなく、フィードバックも受ける。そのためサプライヤー、さらには機体メーカーといった取引先が提供する多様なCADデータを扱える製品を求めた。
    要件を基に、複数の製品を検討した同センターは製品として「Teamcenter Engineering」を、システム構築パートナーとして新日鉄ソリューションズを選ぶ。

  • 優れた発展性を備える製品と実績やノウハウ持つNSSOLを選択

    「Teamcenterは設定できる項目が多く、運用ルールを変更してもすぐ対応できます。設計に加えて製造工程でも利用できるなど発展性があります」(航空機エンジンR&Dセンター担当者)。 新日鉄ソリューションズはユーザー系SI事業者であり、製造業のノウハウを持っていた。本田技術研究所の他部門へTeamcenter Engineeringを導入した実績もあったという。
    システム構築は2007年6月に始まった。プロジェクトではPDMシステムの導入をはじめ、運用ルール整備やシステム利用者への教育、さらには関連システムの構築・連携などを幅広く行っており、期間は3年に及んだ。
    新日鉄ソリューションズは、本田技術研究所の要望を基にシステムの機能を前提とした実用性の高い運用ルールの具現化を支援していった。

  • パフォーマンス改善なども行い技術者が使いやすいシステムに

    新日鉄ソリューションズは、2009年秋から性能改善にも取り組んだ。PDMのバックエンドとして使っていたデータベース管理システムやストレージなどで対策を行い、大幅な向上に成功している。
    「新日鉄ソリューションズは、データベースを含めたインフラに関する総合的なノウハウを持っており、それをフル活用していただきました」(航空機エンジンR&Dセンター担当者)。 新システムは2010年6月に全面稼働した。

コアテクノロジー

PDM、3D CADデータ管理、構成管理、運用支援

システム概要

●アプリケーション:
Teamcenter Engineering(Windows)
●対象CAD:
CATIA V5

株式会社本田技術研究所様

本社:埼玉県和光市中央1-4-1
設立:1960年
資本金:74億円(2010年3月31日現在)
従業員数:1万3820名(2010年3月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

見積もり、提案依頼はお問い合わせください。

関連リンク