300億件の市場データをタイムリーに分析する新マーケティング・システムを構築

株式会社資生堂様

プロジェクト概要

背景

・アジアを代表するグローバル企業を目指し、マーケティング改革を推進
・分析パターンや組織の変更など環境変化に対応できるシステムを求める
・得意先コードを柔軟性の高い体系に変更する必要性

ソリューション

・個別最適化されていたマーケティング・システムのデータをOracle Databaseに統合し全体最適化へ
・BIツールには、機能豊富なOracle BIEEを採用

成果

・売上データをほぼリアルタイムで把握可能に
・店頭での実売動向をスムーズに分析

  • 分析パターンや組織の変更に対応できる柔軟なシステムが必須

    資生堂は、2005~07年度を「グローバルプレイヤーとしての基盤を確立」する3カ年と位置付け、国内化粧品事業で活用する新マーケティング・システムの構築に取り組んだ。

    「メガブランドの育成や流通チャネルの激変などに対応できる、新しいインフラを作る必要がありました」(情報企画部長)  
    資生堂は、マーケティング業務で早い時期から、BIによる販売/市場動向の分析システムを導入している。しかし、従来のシステムは目的ごとに最適化されており、分析パターンの変更にはプログラム改修が必要だった。また、同社では半年ごとに営業組織の改編を行うが、それに伴う改修に3~4カ月を要し、費用もかさんでいた。
    新システムは、これらの課題を解消し、分析も高度化することを目標にした。同時に得意先マスター管理システムの構築にも着手。新システムで用いる得意先コードを柔軟性の高い体系に変更するといった対策が必要だった。

  • パッケージを活用して、個別最適から全体最適へ

    資生堂は、パートナーとして新日鉄ソリューションズを選ぶ。新日鉄ソリューションズが提案したのは、Oracle Databaseに各システムのデータを統合し、全体最適化する構成である。BIツールは、パッケージの「Oracle Business IntelligenceSuite Enterprise Edition(BIEE)」を採用した。
    BIEEではシステム利用者が自ら分析パターンを作成できる。一度作った設定は保存して、ボタン一つで呼び出せる上、複数の担当者で共有可能だ。
    新システムの開発プロジェクトは2007年1月から始まった。統合によってデータ量が約300億件超、24テラバイトにもなるため、レスポンス向上は最大のハードルだったという。新日鉄ソリューションズは、日本オラクルと共同で設立した検証センター「NSOBISC」で緻密な検証作業を重ねて実用的な性能を実現した。

  • 売上データもリアルタイムに把握可能

    新マーケティング・システムの全面稼働は2008年6月である。2008年4月に定型検索を、6月に自由(非定型)検索のサービスを段階的に始め、スムーズに運用を開始した。
    新システムでは、非常にきめ細かなデータが短時間で得られる。従来は、分析用の売上データを月単位で集計していたが、新システムでは何月何日にどこでどの製品が売れたのかまでがほぼリアルタイムに把握可能だ。また、約10万店の取引先への出荷や取引先のPOS(販売時点情報管理)データを取り込むことで、店頭での実売動向を分析できる。

コアテクノロジー

BI(ビジネス・インテリジェンス)、分析指標の統一、情報および分析手法を含めたノウハウの組織横断的な共有

システム概要

●サーバー:
DBサーバー(IBM Power 570)×6、Web APサーバー(Linux)×9ほか
●ミドルウエア:
Oracle BIEE、Oracle RAC10g
●クライアント:
5000ユーザー

株式会社資生堂様

本社:東京都中央区銀座7-5-5
創業:1872年
資本金:645億円(2008年3月31日現在)
売上高:単独2731億円/連結7234億円(2008年3月期)
経常利益:単独310億円/連結650億円
従業員数:単独3497名/連結2万8793名(2008年3月31日現在)
グループ会社:子会社96社、関連会社22社

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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