生産規模の急拡大へ先手を打つ 業務の抜本改革と誤出荷防止システム

上海协和氨基酸(上海協和アミノ酸)有限公司様

プロジェクト概要

背景

上海協和アミノ酸有限公司は、主力製品であるアミノ酸の生産量倍増と原料由来の拡大に伴う複雑化にあたって、医薬品メーカーとして出荷ミスを防ぐため、人手による管理を改め、システム導入を検討した。

ソリューション

国内工場の業務プロセスをベースとしつつ基盤ソフトに「用友」を選択。用友の開発実績が豊富なNSSOL上海をパートナーに選び、現地での運用に適したプロセスを一から確立し、誤出荷防止システムを構築した。

成果

業務の整理から文書化、教育までシステム開発にとどまらないNSSOLの献身的な支援によって、システムは計画通りに稼働。医薬品に対する世界各国の製造・品質基準も満たし、トラブルなく増産体制にシフトできた。

  • 物流量の拡大にあたり誤出荷防止へ、業務を厳密にコントロール

    今を遡る2015年のこと、協和発酵バイオの本社では、2018年から上海での生産規模を倍増させるにあたり、実現へ向けて上海工場の業務プロセスを抜本改革するプロジェクト発起を決断した。協和発酵バイオのグループでアミノ酸製造の主力を担い、上海近郊に広大な工場を構えるのは上海協和アミノ酸有限公司(以下、上海協和)だ。
    プロジェクトの課題は、物流量を増やす中でいかに誤出荷を防止するかであった。同時期に、使用原料の種類(由来)が増加することや、日米欧中亜、全世界での顧客拡大に伴いサプライチェーンが複雑になるなどの変化もあった。原料由来については医薬品の薬事登録上の内容も変わることで、より厳密なコントロールが必要とされた。それまでの人手を介した管理では、もはや対応が困難であることは明らかだった。

  • 信頼できるパートナーとして評価されたダントツの提案

    主に紙と表計算ソフトによる人手の管理では間に合わない事態に加え、GMPという医薬品の製造・品質規範をクリアするにも、抜本策が必要だった。そこで、日本国内の工場の業務フローをベースとしたシステムの導入を計画、上海工場向けにカスタマイズする中で中国製ERPパッケージ「用友」を指定し、2016年RFPによるコンペを実施した。同社が、他の数社を圧倒した内容と評価したのは日鉄軟件(上海)(以下、NSSOL上海)の提案だった。
    NSSOL上海にとって医薬製造業の基幹システム受注は実はこれが初。だが、提案内容だけでなく、製造業の知見に基づく的を射た事前の質問は上海協和を驚かせた。用友の開発実績や、中国語と日本語をこなす多数の社員の存在も選定の決め手だった。

  • 医薬品の製造・品質規範に基づき、トラブルなく安定供給

    日本の工場の業務プロセスの概略を示し、それを用友で実現したいという内容のRFPは、実は大変な難題だった。現実の業務プロセスの理解から始めないと手も足も出ない。そこでNSSOL上海は現場を逐一ヒアリングし、業務をどう変えるべきかを整理。それに基づきGMP基準のSOP(標準業務手順書)案を作成した。GMPではシステムの適正動作を証明するCSV(コンピュータ化システムバリデーション)と呼ぶ文書も必要だ。上海協和の心強いパートナーとして、NSSOL上海はそれらの一切を引き受けた。
    新システムは2018年2月に完成。検証と移行作業を経て同年8月、現場作業員の混乱もシステム上のトラブルもなく、新しい業務プロセスと共に稼働を始めた。上海協和では早くも、品質保証部門におけるデータ完全性の強化など次の課題に取り組んでいる。

コアテクノロジー

製造業に関する業務知識、GMP対応知見、ERPアドオン開発

システム概要

●統合基幹業務システム:用友ERP

上海协和氨基酸(上海協和アミノ酸)有限公司様

所在地:中国上海市青浦工業園区新路158号201707
設立:1998年9月30日
従業員数:294名(2019年9月末)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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