現場に頼っていた設備保全をシステム化 計画保全の強化により生産効率の向上へ

カルソニックカンセイ株式会社様

プロジェクト概要

背景

工場設備の保全業務を効率化するために新システムの構築を計画した。計画保全を強化し、工場の生産効率を高める狙い。まずは群馬工場でシステム開発し、国内外の工場に横展開することにした。

ソリューション

保全情報管理システムとしてDELMIA Aprisoを採用。ITパートナーには、豊富な業務知見とDELMIA Aprisoの導入ノウハウを有するNSSOLを選定。アジャイル型の開発手法を取り入れ、実装作業を4カ月で完了した。

成果

新システムにより保全担当者の業務負荷を軽減。余力を計画保全業務に振り向けた。以前は20%以下にとどまっていた定期保全率を30%まで改善している。今後、同システムをグローバル展開する計画だ。

  • 設備保全業務を効率化し、計画保全の強化を目指す

    大手自動車部品メーカーのカルソニックカンセイは、世界15カ国に81の生産工場と13の開発拠点を持ち、コックピットモジュールや電子部品、ラジエーターなどの幅広い製品群を開発・生産している。同社は現在、グローバルに展開している工場の生産効率を高めるため、工場支援システムのグローバル統一を推進中だ。
    その第一弾として、保全情報管理システムの検討を2016年に始めた。当時、工場ごとに表計算ソフトや台帳で管理していた保全データをグローバルで一元管理し、データ分析や保全現場でのデータ活用などにより、業務の効率化や計画保全の強化を目指す。同社は群馬工場で業務の標準化とシステム化を行い、その成果を他の工場に横展開することにした。

  • 製造業への深い理解とDELMIAの導入ノウハウで構築をサポート

    カルソニックカンセイは、工場支援システムを将来的にグローバル統一することを念頭に、統合MES(製造実行システム)パッケージの「DELMIA Apriso」を採用。ITパートナーには、同ソフトの豊富な導入実績があり、日本製鉄グループの一員として製造業の業務知見や大規模プロジェクトの経験を持つ日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)を選んだ。
    プロジェクトの始動は2018年2月。カルソニックカンセイはグローバル展開を前提とした要件をシステム全体で定義した後、開発作業をアジャイル型で進めた。保全担当者の意見を取り込みながら、使い勝手の良いユーザーインタフェースや機能を実装するためだ。NSSOLの豊富な業務知見・導入ノウハウとカルソニックカンセイ保全担当者の積極的な参画により、開発チームは4カ月で必要な機能をすべてリリースした。

  • 定期保全率が上昇、新システムの稼働後すぐに改善効果

    保全情報管理システムは2018年11月に稼働。保全担当者は、タブレットを見ながら過去の故障履歴を現場で参照したり、保全内容を入力したりできるなど、管理業務の大半を現場で完結できるようになった。非常に手間のかかる定期保全計画の作成も自動化している。これらの効率化の結果、計画保全業務に充てる時間を増やせるようになり、以前は20%以下にとどまっていた定期保全率を、新システム稼働の4カ月後には30%に改善。3年後には50%まで高める計画だ。
    今後は、国内外の工場に同システムを横展開しながらDELMIA Aprisoの製造管理や品質管理のモジュールを順次導入し、工場支援システム全体の構築を進める。また保全用部品をグローバルで一元管理することにより在庫コストの削減も視野に入れる。

コアテクノロジー

業界トップクラスの業務知識、短期開発ノウハウ

システム概要

●アプリケーション:DELMIA Apriso

カルソニックカンセイ株式会社様

本社:埼玉県さいたま市北区日進町2丁目1917番地
創立:1938年
売上高:連結9986億円(2018年3月期)
従業員数:連結2万2678名(2018年3月31日現在)
グループ会社:連結子会社34社(2018年5月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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