効率的なモダナイゼーションで システム更改の工期を大幅に短縮

NS-Siam United Steel Co., Ltd.(新日鉄住金グループ)様

プロジェクト概要

背景

販売生産管理システムの更改時期を迎え、システム基盤を新日鉄住金グループの標準構成に切り替えることにした。ただし、アプリケーションの大幅な修正を伴うことから、工期短縮のための効率化を迫られた。

ソリューション

対策として、アプリのリライトによるモダナイゼーションと分散オフショア開発を選択した。モダナイゼーションでは、NSSOLが独自開発したツールを利用してテスト仕様書を自動生成し、品質を担保しながら開発効率を高めた。

成果

当初の試算と比べ工期を1年以上短縮し、1年9カ月で新システムを稼働させた。システム基盤をグループ標準の構成に切り替えたことで、将来のシステム統合に向けた第一歩を踏み出すことができた。

  • 将来のシステム統合を見据え、システムの更改に着手

    The Siam United Steel(以下、SUS)とNippon Steel & Sumikin Galvanizing(Thailand)(以下、NSGT)が2016年に合併して誕生した「NS-Siam United Steel」(以下、NS-SUS)は、新日鉄住金グループにおいて、タイで唯一となる自動車用途対応の冷延・めっき一貫製造ミルだ。ASEANで「薄板品種総合力No.1ミル」を目指している。
    NS-SUSは将来、新日鉄住金グループが全世界で展開中のグローバル標準システム「ベストプラクティスモデル(以下、BPM)」を導入し、旧SUSと旧NSGTの販売生産管理システムを統合する計画である。しかし、その前に旧SUSのシステムが更改時期を迎えていたため、同社は2015年4月、新日鉄住金ソリューションズ(以下、NSSOL)およびタイの現地法人であるThai NS Solutionsとともに更改プロジェクトに着手した。

  • 短期間でシステムをモダナイゼーション、テスト仕様書を自動生成

    NS-SUSは、BPMへの移行を容易にするため、システム基盤をグループ標準の構成に刷新することを決めた。ただし、アプリケーションの修正を伴うことから、試算では開発期間が3年に及び、保守サポートの期限を1年もオーバーしてしまう。そこで同社は工期短縮策としてモダナイゼーションと分散オフショア開発を選択した。
    旧バージョンのOracle Forms and Reportsで開発したクライアント/サーバー型のアプリは、標準のコンバージョンツールで同ソフト新版のWebアプリに自動変換。同時にNSSOLが独自開発したソースコード分析ツールなどを用いてテスト仕様書も自動生成し、開発作業を効率化した点が特徴だ。これらの作業はNSSOLグループのタイ(ラヨーン、バンコク)、中国(大連)、日本(東京、八幡)の3カ国5拠点で進められた。

  • 1年9カ月でモダナイゼーションを完了、システム統合への第一歩に

    新システムの稼働は2017年1月。NS-SUSは、当初の試算より大幅に短い1年9カ月でシステム基盤の刷新とモダナイゼーションを完遂した。
    新システムの稼働状況は非常に良好だ。稼働直後に軽微なトラブルが起こったものの、各開発拠点のメンバーをNS-SUSに集めて万全を期していたこともあり、すぐに収束した。稼働1カ月後以降、トラブルは発生していない。
    NS-SUSは、BPMが動作可能なグループ標準のシステム基盤を導入したことで、将来のシステム統合をスムーズに進めるための環境を整えた。今後、旧NSGTのシステムも更改時期を迎えていることから、業務システム統合に先駆け、ハードウェア/ミドルウェアの統合を進めていく考えだ。

コアテクノロジー

Oracle Forms and Reports、COBOLアプリケーションのモダナイゼーション

システム概要

●サーバー:IAサーバー
●ミドルウエア:Oracle Forms and Reports、Oracle DB、Micro Focus COBOLなど

NS-Siam United Steel Co., Ltd.(新日鉄住金グループ)様

本社:タイ ラヨーン県マプタプット
設立:2016年
資本金:130億バーツ(約430億円)(2018年3月31日現在)
生産能力:冷延100万トン/年、溶融亜鉛めっき36万トン/年
従業員数:約1100名(2018年3月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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