パートナー企業との協創ビジネス拡大へ リリース速度を高める開発環境を導入

株式会社NTTドコモ様

プロジェクト概要

背景

市場の変化や増え続ける「協創ビジネス」に追随するために、ウォーターフォール型に加えて新たな開発スタイルを模索していた。設計開発を高度に自動化し、少人数のチームによるスピーディーな内製開発を可能とする体制が求められた。

ソリューション

NSSOLのシステム開発研究センターで蓄積してきたDevOps環境のノウハウを基に、NTTドコモのニーズに合う新開発環境のPoCを実施。開発・テストおよび保守開発での自動化を実現し、工数と開発期間を大幅に短縮できる体制を整えた。

成果

2017年4月から7月にかけて実施した商用アプリケーションの開発で新開発環境を試行した結果、単体テストやリグレッションテストなどで工数を30~40%削減できた。保守開発のフェーズに入れば、リリースの大幅なスピード化が期待できる。

  • 内製開発によるスピード化で、市場ニーズへの素早い対応を目指す

    国内最大の移動体通信事業者であるNTTドコモ。新たなビジネス領域へ積極的に進出する同社は、「dマーケット」をはじめとする各種サービスを通じ、コンテンツ配信やショッピング、金融・決済など数多くのサービスをパートナー企業と協力して提供している。これら「スマートライフ事業」は、2017年度において1300億円の営業利益が見込まれ、パケット収入に並ぶ収益の柱としてサービス拡大と品質向上が推進されている。
    そのため同社サービスデザイン部では、市場ニーズの変化に素早く対応できるサービス開発体制の構築に取り組んだ。従来のウォーターフォール型開発に加え、アジャイル型開発による内製化を進めると同時に、オンプレミス環境とパブリック環境の両方に適応可能な開発・テストを自動化したDevOps環境の導入を決めた。

  • NSSOLの支援により、DevOps環境を短期間で構築

    新開発環境では、オープンソース・ソフトウエア(OSS)の利用を一つの要件とした。OSSのアップデートによって最新技術を容易に取り込める点、ツールの維持運用に必要な情報を容易に入手できる点などがその理由だ。NTTドコモは、DevOps環境の構築における豊富な実績があり、各ツールの選定をニーズに合わせて考慮している点などから、ITパートナーとして新日鉄住金ソリューションズ(以下、NSSOL)を選定する。
    新システムの構築は2017年1月に開始した。NSSOLはPoC(概念実証)を実施し、NTTドコモの求める品質を保ちつつ開発期間の短縮効果が得られることを確認。その後、サービスデザイン部のプロジェクトで新開発環境を試行し始め、NSSOLのシステム研究開発センターによるサポートやスキルトランスファーを進めた。

  • 単体テストなどで30%以上の工数削減、開発コストも大幅低減へ

    NTTドコモサービスデザイン部では、2017年4月から商用サービスの一部開発に新開発環境を使用している。自動化ツールにより、社内の少人数チームによる短期間での開発・リリースが可能となった。これにより、市場の反応を見ながらサービス内容をブラッシュアップさせていく、スピード感のある開発体制が実現した。単体テストやリグレッションテストの工数は30~40%削減できている。
    全体の開発コストとしては、内製化の効果なども加え、従来の4分の1となったケースもあった。働き方改革の実現などの各種効果も期待される。サービスデザイン部では、品質重視のプロジェクトに関しては従来の開発体制を利用しつつ、新開発環境への移行を進めていく考えだ。スマートライフ事業以外のプロジェクトへの適用も想定している。

コアテクノロジー

オープンソース・ソフトウエア

システム概要

●開発ツール:統合開発環境「Eclipse」、ビルド・テストジョブ管理「Jenkins」、単体テスト「JUnit」、Webテスト「Pitalium」など
●デプロイ系ツール:性能テスト「JMeter」、運用監視「Zabbix」、コンテナ管理「Docker」など

株式会社NTTドコモ様

本社:東京都千代田区永田町2-11-1
営業開始:1992年
資本金:9496億8000万円(2017年3月31日現在)
営業収益:連結4兆5846億円(2017年3月期)
従業員数:単体7609名、連結2万6734名(2017年
3月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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