設計開発力の強化へPLMシステムを構築 業務プロセスを標準化し、情報を一元化

アズビル株式会社様

プロジェクト概要

背景

設計開発力のさらなる強化が求められていた。事業部ごとに異なる開発・設計プロセスを標準化し、情報共有などでシナジー効果を発揮したいと考えた。グローバル化に向け、海外拠点でもサポートを受けられるシステムが必要とされていた。

ソリューション

豊富な機能を備えた「PTC Windchill」を選定し、新たなPLMシステムを構築。製品の標準機能をできるだけ利用し、設計開発プロセスの標準化を図った。新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)が支援し、標準機能の適用率99%を達成した。

成果

業務プロセスの統一とともに、部品表をはじめ製品関連情報や知識の一元管理を実現。設計段階での品質の向上を容易にし、市場の変化に迅速に対応しやすい設計開発基盤を確立した。組織間または事業部門間の人材の流動性も高まった。

  • 業務プロセスを統一し、設計開発業務に関わる情報の一元化を目指す

    「人を中心としたオートメーション」による「安心、快適、達成感」の実現を企業理念とするアズビル。同社は工場・プラント向けの制御機器や計測機器、ビルディングオートメーション分野における大手メーカーとして、さまざまな製品の開発製造を手掛けている。
    さらなる製品開発力強化のため、業務プロセスと情報共有環境の刷新に取り組んだ。従来、事業部ごとに業務プロセスが確立しており、部品表(BOM)が個別に作られるなどの課題があった。そのため製品開発や設計に関わるプロセスを全社で標準化し、情報の一元化やプロセスの改善につながる設計開発基盤を求めた。PLM(Product Lifecycle Management)パッケージの標準機能をできるだけ使用し、プロセスの標準化を図ると同時に、将来予測される業務や市場の変化に対応できるようにしたかった。

  • 「NSBeats」により新システム構築を支援、標準機能の適用率を99%に

    アズビルは、3D CAD製品との連携やグローバルなサポートが提供されている点などを考慮し、PLMパッケージに「PTC Windchill(以下、Windchill)」を選定。Windchillでの構築実績が多い新日鉄住金ソリューションズ(以下、NSSOL)を開発パートナーに選ぶ。2016年1月から業務設計を開始し、NSSOLは豊富なノウハウと、製造業向けPLMシステム構築・導入サービス「NSBeats(エヌエスビーツ)」によって支援した。
    NSSOLは「問題レポート」「変更リクエスト」などWindchillの機能を利用し、従来は部署ごとにルールが異なっていた設計変更手順を標準化。できるだけWindchillの標準機能を使えるように提案し、アドオン開発を最低限に留める。その結果、標準機能の適用率が99%という極めて高い割合を実現できた。

  • 海外の生産拠点を含めて2000人が活用、業務効率の向上を見込む

    新システム「ACES(Azbil Common Engineering System)」は2017年5月にサービスイン。海外の生産拠点を含め、すでに約2000人が活用している。全社標準の設計開発基盤の実現により、組織間または事業部門間の人材流動性が高まり、かつグローバルな生産・開発支援体制が強化された。
    各事業部で独自に管理していたドキュメントやデータを全社で一元管理できるようになり、BOMや3D CADデータを流用して業務効率を高める環境が整った。その結果、リードタイムの短縮や製品品質の向上、業務プロセスの改善を通じ、市場ニーズへのより迅速な対応が見込まれる。アズビルは、引き続き業務改革を推進すると共に、ACESの機能拡張に向けたプロジェクトの第二段階を計画している。

コアテクノロジー

PLM(Product Lifecycle Management)の業務知識、PLMパッケージ「PTC Windchill」による開発力

システム概要

●PLMパッケージ:PTC Windchill
●製造業向けPLMシステム構築・導入サービス「NSBeats(エヌエスビーツ)」

アズビル株式会社様

本社:東京都千代田区丸の内2-7-3
創業:1906年
資本金:105億円(2017年3月31日現在)
売上高:連結2548億円(2017年3月期)
従業員数:5070名/連結9290名(2017年3月31日
現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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