中国グループ各社の購買システムを統合 購買プロセスの適正化でコスト削減へ

威可楷(中国)投資有限公司(YKK中国投資社)様

プロジェクト概要

背景

YKKグループの中国現地法人は、中国内のグループ会社で統一されていなかった間接財の購買プロセスと購買管理システムを見直し、購買コストの削減や業務改革につながる仕組みの構築を検討していた。

ソリューション

対象業務の知識が豊富で仕事が迅速な新日鉄住金軟件(上海)をITベンダーとして選定し、カスタマイズしやすくワークフローソフトとして実績のあるintra-mart Accel Platformで統合購買システムを開発した。

成果

適正な購買プロセスに基づくワークフローシステムをグループ会社に展開し、購買コストの低減や業務改革を達成した。SNSと連携するスマートフォンアプリによって、承認ワークフローのスピードアップも試行中。

  • 中国市場の成熟化に伴い、業務改革や集中購買で収益力アップを計画

    ファスナー業界のトップブランドであるYKKグループは、中国本土において威可楷(中国)投資有限公司(以下、YKK中国投資社)を中核とするグループ13社で事業展開している。YKK中国投資社は、2015年7月にファスニング事業で利用する統合購買システム「Y-Chips」の開発を検討し始めた。ファスナーの主要販売先である中国の縫製市場が成熟化しつつあり、生産量の拡大から収益力の強化へと経営の軸足を移し始めたことに対応するためだ。当時、中国主要5社の購買業務とシステムはバラバラだったが、それらをY-Chipsで統一し、購買プロセスの適正化や集中購買を通してコスト削減・収益力向上を実現しようと計画した。市場の変化に追随するため、新システムを短期間で構築し、グループ会社に早期展開していくことも目標の一つとなった。

  • intra-martに精通したNSSOL上海が統合購買システムを短期構築

    YKK中国投資社はY-Chipsの基盤となるワークフローソフトとして、カスタマイズ性に富む「intra-mart Accel Platform」(以下、intra-mart)の採用を内定していた。同社は、このソフトを用いた豊富な構築経験を持つ新日鉄住金軟件(上海)(以下、NSSOL上海)を構築ベンダーに選定した。
    Y-Chipsは複数のフェーズに分けて構築している。間接財を対象としたフェーズ1は、intra-martと同ソフト向けに新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)が独自開発した業務機能テンプレート群を組み合わせ、ERP(統合基幹業務)システムと自動連携する購買ワークフローシステムを構築。続くフェーズ1.5では、中国のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)をワークフローに組み込んだスマートフォンアプリも試作した。

  • 購買プロセスの適正化により購買コストを削減

    YKK中国投資社は、フェーズ1のシステムを2016年6月に稼働させ、購買プロセスの統一と適正化を実現した。その後、主要グループ会社・営業拠点向けのカスタマイズや新機能を加えながらも約1年でグループ展開を完了し、中国のファスニング事業全体として成果を上げている。
    Y-Chipsでグループ横断の集中購買にも取り組んでいる。集中購買に向く品目やサプライヤーを見極めながら、集中購買によるコスト削減効果を高めていく考えだ。
    今後は副材料(フェーズ1.8)や固定資産(フェーズ2)へと適用領域を広げていく。フェーズ1.5で試作したスマートフォンアプリも承認ワークフローにおいて非常に使い勝手がよく、早期のグループ展開を予定している。

コアテクノロジー

購買管理、ワークフロー、データ分析および会計連動に関する業務知識とノウハウ、intra-mart Accel PlatformやTableauを利用したシステム開発力

システム概要

●システム共通基盤ソフトウエア:intra-mart Accel Platform
●intra-mart用業務機能テンプレート群
●BI(ビジネスインテリジェンス)ツール:Tableau

威可楷(中国)投資有限公司(YKK中国投資社)様

所在地:中国上海市浦東新区陸家嘴環路1000号
設立:2002年
資本金:4億100万ドル(2017年3月31日現在)
売上高:単体14億円、中国グループ連結1000億円
(2017年3月期)
従業員数:単体99名、中国グループ連結9408名
(2017年3月31日現在)
グループ会社:15社
(2017年3月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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