受注・在庫管理システムを再構築 ホスト撤廃でランニングコストを75%削減

ミツカングループ様

プロジェクト概要

背景

長期IT投資計画に沿ってホスト上のシステムを順次、オープンシステムへ移行している。その最終段階となる受注・在庫管理システムの移行では、IT環境変化への対応、ランニングコストの削減などを目標に掲げた。

ソリューション

旧ホストシステムを解析して無駄を省いてからスクラッチで新システムを開発する提案を行ったNSSOLに支援を依頼。NSSOLはオフショア開発を社内クラウド上の独自開発環境で進め、システムの品質とコスト効率を向上させた。

成果

ホストシステムを計画通り撤廃。オープンシステムへの移行によるIT環境変化への対応とランニングコストの削減、若手社員とのノウハウ共有などによるIT部門の組織対応力強化やプロジェクトマネジメント標準の定義が実現した。

  • 長期IT投資計画の最終段階で、受注・在庫管理システムの移行を検討

    食酢やぽん酢「味ぽん」といった食品の製造販売を行い、変革と挑戦を続けるミツカングループ。「金のつぶ」ブランドなどの差別化した納豆の開発や企業買収による海外事業の拡大にも積極的に取り組む。IT投資においても長期計画「ITグランドデザイン」に基いて、ホスト上の基幹業務システムを順次、オープンシステムへ移行してきた。
    ミツカングループがその最終段階となる受注・在庫管理システムの移行を本格化したのは2013年である。同システムは長年の改修で機能が複雑化し、ドキュメントの整備も追い付いていなかった。グループの内務カンパニーであるMizkan Partnersは「IT環境変化への対応」「ホストランニングコストの削減」「情報システム部の組織対応力強化」「プロジェクトマネジメント標準の定義」を移行の目標に掲げた。

  • 旧ホストシステムを解析してスクラッチで再構築、オフショア開発を実施

    ミツカングループは複数のITベンダーに提案を求め、その中から最も効果的に目標を実現できる提案を行った新日鉄住金ソリューションズ(以下、NSSOL)に支援を依頼する。決め手は、オフショア開発でコスト効率を高めつつ、旧ホストシステムの仕様を明確化したうえで、使われなくなった機能を省いた新システムをスクラッチで再構築できる点であった。プロジェクトは2014年1月にスタートした。Mizkan Partnersは、旧ホストシステムのプログラムを解析してドキュメントを作成し、移行する機能を選定して新システムを設計。NSSOLは、マイクロソフトの.NET技術をベースにした独自の開発フレームワーク「AmiNavire(アミナヴィール)」を活用するとともに、社内クラウド上の独自開発環境「NSSDCクラウド」で中国の開発拠点と連携し、システムの品質を向上させた。

  • IT部門の組織対応力強化やプロジェクトマネジメント標準の定義も実現

    「M-OISYS」と名づけられた新たな受注・在庫管理システムは、2015年9月に本格運用を始め、安定運用を実現している。ミツカングループは同年11月末、30年余り運用してきたホストシステムを撤廃した。
    新システムの成果は期待通りである。オープンシステムへ移行することでIT環境変化への対応を実現したのはもちろん、ランニングコストは以前に比べて約75%も削減された。本プロジェクトを通じた若手社員とのノウハウ共有やドキュメント類の整備などで、情報システム部の組織対応力強化やプロジェクトマネジメント標準の定義も達成されている。今後は、運用管理の強化などでシステムの安定性をこれまで以上に追求しながら、取引先の要望に応じて機能追加や改修を行っていく予定である。

コアテクノロジー

モダナイゼーション、NSSDCクラウド、.NET Framework、AmiNavire(アミナヴィール)

システム概要

サーバー:Windows Server 2012 R2×2(VMHA構成)
ミドルウエア:Oracle Database 11g R2

ミツカングループ様

売上高:連結2486億円(2016年2月期)
社員数:約3700名

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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