バイオ医薬品のさらなる品質・収量向上へ製造・品質データの解析システムを導入

中外製薬株式会社様/中外製薬工業株式会社様

プロジェクト概要

背景

バイオ医薬品の安定した品質確保・収量向上のため、ITを活用して多様な製造・品質データを体系的に短時間で収集・解析するシステムを導入し、継続的に製造プロセスを改善する仕組みの構築を目指した。

ソリューション

データ収集から解析までをワンストップで行えるパッケージ製品「BIOVIA Discoverant」をNSSOLの支援により導入。製造に関わる既存システムと連携させることで製造・品質データの自動収集と解析を実現する。

成果

計画通り、製造プロセス改善の基盤として社内ユーザーを順次拡大している。特に製造・品質データの収集時間が従来の約10分の1に短縮したこと、連続データを含む多様なデータの解析が可能になったことへの評価は高い。

  • バイオ医薬品の安定した品質確保・収量向上へ新システム導入を検討

    「すべての革新は患者さんのために」を事業哲学として、グローバルで活躍するトップ製薬企業を目指す中外製薬。バイオをはじめとする独自の創薬技術に強みを持つ同社が、グループ会社として製造業務を担う中外製薬工業と共同で、製造・品質データの収集・解析システムの導入検討を開始したのは2013年である。バイオ医薬品には化学合成の医薬品に比べて特性や収量の変動が大きいという特徴があることから、高いレベルでの品質維持・収量向上の実現には製造・品質データを体系的に収集・解析して継続的に製造プロセスを改善する努力が必須となる。導入を検討した中外製薬工業 宇都宮工場では、新システムによってデータ収集を自動化するとともに、より多様な製造・品質データを解析してプロセス改善に活用できる仕組みを作りたいと考えた。

  • データの収集・解析をワンストップで行える「Discoverant」を選択

    複数のソリューションを比較・検討し、選択したのがダッソー・システムズ・バイオビア社のパッケージ製品「BIOVIA Discoverant」である。海外の製薬大手における豊富な導入実績、製造・品質データの収集から解析までのワンストップサービス、多様な解析機能などを評価した。製品選定の最終段階では、同製品の国内代理店である新日鉄住金ソリューションズ(以下、NSSOL)に約3カ月にわたるPoC(概念検証)を依頼。その技術力を評価してNSSOLをDiscoverant導入のITパートナーに選択する。導入プロジェクトは2015年3月にスタート。NSSOLは、MES(製造実行システム)やLIMS(ラボラトリ情報管理システム)といった製造に関わる既存システムを網羅的に調査し、約3600種類のデータソースに対して製造・品質データを収集する連携機能を開発した。

  • データの収集時間が大幅に短縮、製造プロセス改善へ利用者を拡大

    Discoverantをベースとした「製造品質モニタリング・レポートシステム」は2016年4月に予定通り導入。バイオ医薬品をこれまで以上に高い品質・収量で安定的に生産するための製造プロセス改善基盤として社内ユーザーを順次拡大している。
    新システムでは、多様な製造・品質データを独自のデータマッピング技術によって短時間にオンデマンドで収集・統合し、翌日には解析できるようになるため、継続的な製造プロセス確認、問題発生時の原因究明や報告書作成を効果的に支援できる。特に、データの収集時間が従来の約10分の1に短縮したこと、製造ラインの温度や圧力といったセンサーからの連続データの収集・解析が可能になったことについては評価が高い。今後は、解析手法を洗練させて業務に活かしていく。

コアテクノロジー

プロジェクトマネジメント、システム連携のエンジニアリング力、データの一元管理

システム概要

●アプリケーション:BIOVIA Discoverant

中外製薬株式会社様/中外製薬工業株式会社様

中外製薬株式会社
本社:東京都中央区日本橋室町 2-1-1
創業・設立:1925年・1943年
資本金:729億円
従業員数:連結7169名(2015年12月31日現在)

中外製薬工業株式会社
本社:東京都北区浮間5-5-1
設立:2006年
資本金:8000万円
従業員数:1242名(2015年4月1日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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