グループのグローバル戦略の一翼を担いタイで溶融亜鉛めっき鋼板を生産・販売

Nippon Steel & Sumikin Galvanizing(Thailand)Co., Ltd.様

プロジェクト概要

背景

新日鐵住金グループのグローバル戦略の一翼を担うため、タイで溶融亜鉛めっき鋼板の生産・販売事業を立ち上げる。日本と同じ高品質の製品を提供するため、最新鋭の生産設備と販売・生産管理システムを導入したいと考えた。

ソリューション

製鉄業の業務・ITにおける豊富な知見・実績を持ち、タイにおいても確実にプロジェクトを推進できる新日鉄住金ソリューションズが構想段階からプロジェクトに参加。業務・ITの設計から、運用までをワンストップで支援する。

成果

並行開発や段階的な立ち上げによって、24時間365日安定稼働する販売・生産管理システムが短期間で完成。2013年10月から計画通り営業運転を開始した。NSSOLはタイに現地法人を設立して運用・保守を支援している。

  • タイでの事業立ち上げに伴い、販売・生産管理システムを構築

    新日鐵住金グループのグローバル戦略の一翼を担い、自動車向けを中心に、タイにおける溶融亜鉛めっき鋼板の生産・販売を行うNippon Steel & Sumikin Galvanizing(Thailand)(以下、NSGT)。世界最高水準の競争力実現のため、新日鐵住金が自動車鋼板関連では海外で初めて100%出資で設立した現地法人である。
    NSGTがタイでの事業立ち上げに向けて、基幹となる販売・生産管理システムの構築を検討したのは2011年ごろである。当時、新日鐵住金グループは日本で生産した溶融亜鉛めっき鋼板をタイへ輸出していたが、需要増に対応すべく、NSGTを設立することで日本から原板を調達してタイで亜鉛めっき処理を行う体制に変更。タイのユーザー(顧客企業)へ日本と同じ高品質の製品を短いリードタイムで提供することを目指した。

  • 並行開発で工期短縮、設計と実装の役割分担を明確にした体制を構築

    ITを含めた工場全体の設備は短工期での導入が求められた。新日鉄住金ソリューションズ(以下、NSSOL)は構想段階からプロジェクトに参画。24時間365日の連続稼働が必須で、タイのインフラに課題があるなか、可用性の高いシステムを構築した。
    工期面では、業務とITを一体的に設計して開発範囲を絞り込み、主要機能を分割して並行開発する手法をプロジェクトの早い段階で選択。豊富な経験を持つNSSOLグループの開発者を国内外から動員すると同時に、設計(品質保証)と実装の役割分担を明確化した体制を構築して開発を進めた。品質面では、新日鐵住金グループの国内製鉄所への導入実績がある「あらまほ2」などのフレームワークを採用。さらに業務設計とシステム設計が合致しているか、業務とITを一体的にレビューするといった対策を行った。

  • 計画通り新システムが稼働、NSSOLタイ現地法人が運用・保守を支援

    NSGTは2013年10月に計画通り営業運転を開始。日本と同じ高品質の製品の生産・販売を行っている。本格稼働を始めた販売・生産管理システムでは、オンラインの原板発注機能によって調達から生産・販売までの業務が効率的に行えるほか、製品の所在をほぼリアルタイムにトラッキングする機能によってデリバリー面でもユーザーニーズに対応した厳格な管理が可能になっている。この販売・生産管理システムは、新日鐵住金グループにおける今後の海外展開のベースとして活用していく。システムの24時間365日にわたる安定稼働を支えているのが、NSSOLの運用・保守体制である。NSSOLはシステムの稼働監視や保守を行うため、タイ現地法人のThai NS Solutionsを2013年1月に設立。日本における運用・保守のノウハウを同社スタッフへ移転している。

コアテクノロジー

製鉄業に関する業務知見、Java、あらまほ2、鉄鋼ソリューションAP共通機構、24時間365日の運用体制

システム概要

●サーバー:物理サーバー×4台、仮想サーバー×32台
●アプリケーション:販売受注管理、工程管理、品質管理、操業管理など

Nippon Steel & Sumikin Galvanizing(Thailand)Co., Ltd.様

工場所在地:タイ ラヨーン県ヘマラート イースタン工業団地
設立:2011年
資本金:1億1800万米ドル
生産能力:年間36万トン
営業運転開始:2013年10月
従業員数:約200名

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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