オンライントレードサービスの強化へ基幹データベースシステムを刷新

楽天証券株式会社様

プロジェクト概要

背景

オンライントレードサービスの中核となる基幹データベース(DB)システムを強化する。障害時にサービスをすぐ再開できる可用性、大量の取引量に堪える性能、中長期的な環境変化に対応できる柔軟性を求めた。

ソリューション

DBマシン「Oracle Exadata Version2」によって、可用性・性能・柔軟性を高める。特に可用性は、Oracleのベストプラクティスに基づき、実証済みの製品・技術を組み合わせることで総合的に見直す。

成果

障害時には数十秒でサービスを再開できるようになり、安定したサービスを継続的に提供できる基盤を構築できた。性能は、従来に比べてオンライン発注処理で最大200%高速化。電力消費量も約43%削減している。

  • サービスの可用性・性能向上へ、基幹DBシステムの刷新を検討

    トレーディングツール「マーケットスピード」により個人向けに初めてリアルタイム株価を配信するといった、斬新できめ細かなサービスに強みを持つ楽天証券。楽天グループのオンライン証券会社として、常に顧客の立場でサービスの提供に努めている。同社が基幹DBシステムの更新を本格的に検討し始めたのは2009年4月である。
    同システムでは、顧客情報や取引記録など、基幹業務データを統合的に管理しているが、サービス停止につながる障害が発生するようになり、対策を迫られていた。基本的に障害が起きないようにし、万一の障害発生時はサービス停止時間を極限まで短縮する。加えて最近の金融情勢は、変化が激しい。大量の取引が発生したときも余裕を持って処理可能にするとともに、拡張性をこれまで以上に向上させる必要があった。

  • OracleのベストプラクティスとNSSOLの協力で可用性を追求

    これら課題の解決に、どのような製品・技術が最適か。楽天証券は2009年11月から2カ月半かけて、候補となる複数の製品に対してPoC(概念実証)を実施。数十項目に及ぶテストをもとに、次期基幹DBシステムの基盤として、DBマシン「Oracle ExadataVersion2」を選ぶ。
    プロジェクトの推進とPoCの実施、構築の実務などでは、新日鉄ソリューションズに協力を依頼した。同社は、楽天グループにおけるシステム構築の実績があり、その仕事ぶりを評価していた。Exadataは、ハードウエアとソフトウエアを一体で設計した高速なDB専用コンピュータで、多数の企業における導入実績がある。同V2は2009年11月に販売を開始した最新製品だ。

  • オンライン発注性能が2倍に、障害時も数十秒で復旧できる

    可用性については、「Oracle MAA(Maximum Availability Architecture)」というベストプラクティスを適用して、万全を期した。実証済みのOracleの製品・技術を組み合 わせて可用性を追求する。
    構築は順調に進み、新しい基幹DBシステムは2011年3月21日から本番稼働を開始している。性能については、オンライン発注処理で最大200%、株価参照取引処理で最大700%の高速化を達成した。さらに、夜間バッチの処理時間は、100分から60分へ40%短縮している。それにもかかわらず、電力消費量は約43%削減した。可用性についても期待通りの高い水準を実現している。新しい基幹DBシステムでは、障害が万一発生したときも、数十秒でサービスを復旧することができる。

コアテクノロジー

Oracle Exadata V2、Oracle Data Guard、Oracle GoldenGate

システム概要

●サーバー:
Oracle Exadata V2 Full Rack×2、Sun Fire X4170、Sun Fire X4275
●ミドルウエア:
Oracle Database 11g R2、Oracle Data Guard

楽天証券株式会社様

本社:東京都品川区東品川4-12-3
設立:1999年
資本金:74億9500万円(2011年3月31日現在)
営業収益:229億円(2011年3月期)
従業員数:235名(2010年12月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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