プロジェクト概要
背景
・管理会計業務を高度化して、多角的な分析を可能にする
・従来と同じ操作性で扱えるシステムが必要
ソリューション
・Essbaseによって、予算を一元管理する仕組みを実装
・Microsoft Excelをフロントエンドにした使い勝手のよいシステム
成果
・予算管理業務の効率、精度の大幅な向上
・突発的な分析要請にも即日対応可能
予算編成を効率化するためにBIシステムの導入を検討
2006年頃、すかいらーくグループは、管理会計業務におけるBI(ビジネスインテリジェンス)システムの検討を開始した。
従来、同グループではブランドごとの担当者が表計算ソフト(Microsoft Excel)を利用して管理会計データを集計・分析していた。「予実管理では、分析するデータが複数のシステムに分散しており、データの収集と整理に労力がかかっていました。」(予算管理部 予算管理担当者)
予実管理と予算編成業務の改善に向け、同社が採用したのが「Hyperion Essbase-System 9」によるBIシステムである。Essbaseは、「キューブ」と呼ぶ分析用のデータベースを定義することで、大量データを多面的に分析可能にする。Microsoft Excelをフロントエンドとして利用でき、従来と同じ操作性でシステムを扱える点も評価された。多面的に分析可能な多次元DBを採用
新システムを担当した新日鉄ソリューションズは、2008年11月に要件定義を開始。社内システムを調査し、基本設計、詳細設計、開発、テストを進めた。「NSSOLは、当社からの要望によって起こり得る事態を、ネガティブな面を含めて予測して提案をいただきました。」(予算管理部 予算管理担当者)
新システムは、2009年6月に稼働を開始。店舗実績をタイムリーに把握する日次キューブと、グループ全体の利益管理および予実管理に使う月次キューブを作成し、分析を行っている。
日次キューブは、POS(販売時点情報管理)システムとほぼ直結され、最新のデータを毎日収集している。月次キューブは、会計システムや人事給与システムからデータを取り込み、客数や稼働日数といった項目も統合して分析可能になっている。突発的な分析要請にも即日対応
従来、予実管理の業務では、データを集めるだけで半日かかることもあったが、新システムでは1時間以内で終わるようになった。
「定型的な分析業務がスピードアップし、従来1時間かかっていた作業が15分で済むようになりました。さらに、立地別分析や新規出店といった店舗属性別分析などの多角的な分析が可能となり、経営改善のための基盤として活用しています」(予算管理部 予算管理担当者)
また、最新データをキューブという多面的に分析できる形で蓄積しているため、経営陣から突発的な分析要請が来ても即日対応が可能になったという。
コアテクノロジー
Hyperion Essbase、BI、多次元データベース
システム概要
●サーバー:
DB サーバー×1台(Windows Server 2003 R2)
●ミドルウエア:
Hyperion Essbase-System 9、Oracle Database 10g
株式会社すかいらーく様
本社:東京都武蔵野市西久保1-25-8
設立:1962年
従業員数:単独4124名/グループ6367名(正社員、2009年12月31日現在)
店舗数:国内グループ3,681店、海外を含む3,723店(2010年7月31日現在)