海外生産向けKDパーツの流通管理システムを4ヶ月で開発

いすゞ自動車株式会社様

プロジェクト概要

背景

・海外生産拠点向けKD(ノックダウン)パーツの物流を管理強化する必要
・開発期間は、4ヶ月間

ソリューション

・製造・物流管理ソリューション「Apriso FlexNet」をベースにシステムを構築
・物流現場にある個別システムからパーツの状況を自動収集

成果

・出荷担当者は1台の端末で流通状況を全て確認することが可能に
・欠品や滞留に対して、タイムリーに対応が容易になった

  • 海外生産の拡大に対応すべく、KDパーツ輸出物流の管理強化を検討

    いすゞ自動車は、海外の成長市場に向けた生産・販売機能の強化のため、現地生産拠点向けKDパーツの輸出強化に取り組んでいる。しかし、KDパーツの輸出拡大にはいくつかのハードルがあった。「物流量の増大に対応するため、業務面・システム面とも一層の改善を進める必要がありました。出荷までのリードタイムの短縮、工程管理のレベルアップによる一層の在庫圧縮と収益力向上への取り組みが不可欠でした」(システム・業務改革推進部海外情報システムグループグループリーダー)工場で生産されたKDパーツは、梱包現場でケースにまとめられ、さらに複数のケースがコンテナに積み込まれる。従来、工場を出た個々のパーツの流れは複数のシステムを使って人手で調べていたため、欠品や滞留の原因分析が困難だった。
    そこで2007年半ば、いすゞ自動車はKDパーツの流通ステータスを一元管理するシステムの構築を企画する。
    「どのKDパーツがどこにいつ、どれくらい到着するかという情報が分かれば、高い精度の船積み計画が作成できます。また、計画と実績との間の差異を分析することで、業務の標準化・効率化に向けた改善が効率的に立案できます」(システム・業務改革推進部担当者)

  • FlexNet をベースに管理システムを短期間で開発

    いすゞ自動車は新日鉄ソリューションズを開発パートナーに選び、「Apriso FlexNet」をベースに開発することを決定する。
    FlexNetは、製造業の現場・物流業務を支援するパッケージとして定評がある。一方、パッケージでありながらソフトウェア部品を組み合わせれば、ニーズに応じた機能を短期間で開発できる柔軟性も併せ持つ。
    稼働目標は、利用部門からの要請に基づいて2008年10月に定まる。開発は2008年5月から正式に始まり、実質的に約4カ月で完成した。
    新システム「KD流通ステータス管理システム」では、生産管理/梱包現場管理/物流現場管理といった個別システムには基本的に手を加えず、それらからFlexNetによる新システムへオンラインでデータを取り込み、流通ステータスを管理する。
    「新日鉄ソリューションズは利用者との会議の結果を踏まえ、翌週には動くデモ画面を提示しました。具体的な画面を見ることで、利用者は新システムの仕様を適切にイメージできました」(システム・業務改革推進部担当者)

  • 1台の端末からパーツの流通状況をチェック可能に

    従来、利用者は3台以上の端末から流通ステータス情報を収集する必要があったが、新システムでは1台の端末ですべての情報が把握可能になった。さらに、正確な情報をほぼリアルタイムで把握できるため、滞留が判明するとタイムリーに挽回作業を行える。
    今後は、部品出荷システムなど現場業務システムへのFlexNetの適用を検討していくという。

コアテクノロジー

部品出荷業務に対する深い業務知見、パッケージを用いた短期開発、製造物流実行管理ソリューションFlexNet、Microsoft SQL Server Reporting Services

システム概要

●サーバー
 Windows×2(DB/AP共用×1、Web×1)
●ミドルウエア
 Microsoft SQL Server Reporting Services
●アプリケーション
 Apriso FlexNet

いすゞ自動車株式会社様

本社:東京都品川区南大井6-26-1
創業・創立:1916年・1937年
資本金:406億円(2009年3月31日現在)
売上高:単独8574億円/連結1兆4247億円(2009年3月期)
従業員数:単独7785名/連結2万3712名(2008年3月31日現在)
グループ会社:子会社89社、関連会社56社

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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