プロジェクト概要
背景
2018年からの中期経営計画のもと、生産性向上の一環として、文書管理システムの導入を検討した。それまで書類やデータが部門・個人に属する形で社内に点在化しており、情報の共有と活用が課題とされていたためだ。
ソリューション
短工期のためパッケージを採用、パートナーに選んだNSSOLのアドオン開発力に期待した。文書の運用ルールが異なる部門をまたぐ業務改革を断行、データの自動登録や親しみやすい画面設計などで現場の利用を促進した。
成果
営業から設計、施工などプロジェクトに付帯する様々なデータが統一ルールの下で保存・共有され、活用が拡大中。建設に関係するあらゆるデータと共に過去10年のデータも蓄積する方針で、新ビジネス創出も期待される。
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業務効率化とガバナンス強化へ、全文書を電子化
東急田園都市線の沿線開発を原点とし、近年では渋谷駅周辺のランドマーク建設や、駅周辺の再開発など話題の事業も手掛ける東急建設。2019年度に60周年を迎え、策定した中期経営計画の下でバリューチェーンから生み出される価値の増大に取り組む。
東急建設が文書管理システムの導入を検討したのは、2015年夏のことだ。従来は、契約書や図面などの書類は紙ベースで保管していたが、過去の書類を参照するだけでも保管倉庫との間を往復する必要があった。また、工事写真などのデータは各作業所の個別管理に任せていた。そのため、情報の共有や活用が課題となっていた。全社規模の文書管理システムを導入することで、書類やデータの管理に関わる業務の生産性を向上させ、併せてガバナンスを強化したいと考えた。 -
作業所の使いやすさを追求する要件にNSSOLが尽力
東急建設は、建設プロジェクトを通して大量に発生する書類やデータを「点在から集約」へと一気通貫に保存することを決定。現場の負担なしに情報が自動的に集約・共有されることを要件とした。新システムのコンペは十数社を対象に実施。ニーズへの深い理解と実現性の高い提案、文書管理システムの豊富な導入実績とパッケージ選択などを評価し、パートナーとして日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)を選定した。
NSSOLはフォルダ設計など全社にわたる文書管理ルールの策定・浸透を支援。アドオン開発により、全社ファイルサーバーと作業所のNAS間でのデータの自動登録や使いやすいUI設計、アクセス権管理など数々の要求に粘り強く応えた。新システムは予定通り2017年10月にカットオーバーした。 -
全社横断のプラットフォームで作業所のノウハウを共有
新システムは、新たな建設プロジェクトが開始されるタイミングで各作業所に導入され、順次活用が拡大している。全社横断的な文書の検索が可能となり、過去の類似プロジェクトにおけるデータを活用できるなど効果を上げている。作業所では、プロジェクト終了時のクローズ作業に1カ月近くかかることも珍しくなかったが、新システム導入により1日程度でデータ整理を実施することが可能となり、作業の効率化と共に人材リソースの活用にも貢献。
法律で定められた書類に加え、打ち合わせの議事録や部材の発注書類などすべてのデータの一元的な保管基盤が整備され、データ解析によるビジネスチャンスの創出も期待されている。過去10年の紙の書類も取り込み、さらなる情報活用を推進する計画だ。
コアテクノロジー
文書情報管理の高度ノウハウ、アドオン開発、UI設計、手厚い教育・運用支援
システム概要
●アプリケーション:文書管理パッケージソフトおよびアドオン
東急建設株式会社様
本社:東京都渋谷区渋谷1-16-14 渋谷地下鉄ビル
設立:1959年
資本金:163億5444万円(2019年3月31日現在)
売上高:3099億円(2019年3月期決算)
従業員数:2523名(2019年3月31日現在)
グループ会社:国内3社、海外3社