研究開発をグローバルで統合し 商品開発と商品展開をスピードアップ

花王株式会社様

プロジェクト概要

背景

日本と海外の研究開発拠点の連携を深めるため、日本・アジアで運用中の商品開発支援システムを欧米の拠点にも導入し、研究開発プロセスを統一する。商品開発力の向上とグローバルな商品展開の実現を目指す。

ソリューション

日米欧の研究開発プロセスからベストプラクティスを抽出し、それを基に従来システムを拡張して米国とドイツの拠点に導入。化学物質や各国規制の一元管理、欧米市場に対応した薬事申請の自動化などを実現した。

成果

研究開発プロセスを全世界で標準化したことにより拠点間のコラボレーションを高め、商品開発のスピードアップを果たした。また各国の規制対応を迅速化し、リージョンをまたぐ商品展開を容易にした。

  • 研究開発をグローバルで一体化し、商品開発力の向上へ

    ビューティーケア、ヘルスケア分野の日用品や産業向け化学製品を手掛ける花王は、中期経営計画で「グローバルで存在感のある会社『Kao』」を掲げ、2030年までに海外売上高比率40%を目指してグローバル化を進めている。
    同社は日本と海外の研究開発拠点を一体的に運営するため、2014年から研究開発プロセスの標準化と商品開発支援システムの統合に関する検討を始めた。日本・アジアで運用しているシステムを拡張してドイツ、米国の研究開発拠点に展開し、欧米の研究開発拠点との一体化を進めるとともに、めまぐるしく変わる各国の化学物質への規制や化粧品法規にグループ全体で迅速に対応できるようにする。これにより商品開発力を高め、グローバルの収益力強化を目指す。

  • 海外拠点を巻き込んだ複雑なプロジェクトを完遂

    花王は、従来の商品開発支援システムを一緒に構築してきた日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)をITパートナーに選び、2016年1月から新しいグローバル商品化支援システムの構築プロジェクトを開始。日米欧それぞれの研究開発プロセスの良いところを集約して標準化し、新システムの要件を固めた。機能拡張のポイントは、化学物質データベースの統合、規制情報管理や薬事関係申請業務の欧米対応や自動化など。
    複数の海外拠点にまたがる大規模で複雑なプロジェクトだったが、花王は計画通り2018年12月に新システムを稼働させた。NSSOLは花王とともに従来システムを12年以上も開発保守してきた知見を十分に生かし、様々な提案を交えて新システムの構築と欧米拠点への導入を支援した。

  • 海外との協働が加速し、商品開発も格段にスピードアップ

    統一した研究開発プロセスと支援システムのもと、花王は研究開発拠点間でグローバルなコラボレーションを促し、商品開発スピードを格段に高めている。また、世界各国の規制対応や薬事申請関連業務の効率化を実現し、欧米の商品をアジアで販売するような「地域を越えた商品販売」の展開スピードを加速させた。
    原料データベースの統合効果に対する期待も大きい。原料をグローバルで一括調達できるようになるため、原料費の削減につながると見込む。
    同社は今後、研究開発拠点間のグローバルなコラボレーションをより強化する計画だ。
    新システムの活用を促進し、それによって新たに出てくるシステム化要望に対して、NSSOLとともに対応していく考えである。

コアテクノロジー

PLM(製品ライフサイクル管理)業界トップクラスの業務知識、グローバルシステム構築の知見

システム概要

●アプリケーション:商品開発支援システム

花王株式会社様

本店:東京都中央区日本橋茅場町1-14-10
創業:1887年
資本金:854億円(2018年12月31日現在)
売上高:連結1兆5080億円(2018年12月期)
従業員数:連結3万3664名(2018年12月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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