環境変化とグローバル化対応の強化へコモディティ取引・リスク管理システムを刷新

豊田通商株式会社様

プロジェクト概要

背景

非鉄金属の現物・デリバティブ取引を統合管理するシステムを最新のパッケージソフトウエアで刷新。取引のさらなる拡大に向けて、事業環境・ビジネスの変化に対する柔軟性やグローバル化対応をさらに強化したいと考えた。

ソリューション

海外製品を含めた複数のパッケージを比較。取引条件に応じてマスタを変更できる自由度やコスト効率などに優れる新日鉄住金ソリューションズの「Ratispherd」を選択し、カスタマイズ・機能追加も同社に支援を依頼した。

成果

Ratispherdの導入により、システムコストが大幅に削減され、取引・リスク管理業務のこれまで以上の高度化を実現する環境が整備された。海外拠点への導入も始まっており、グローバルな連携管理が可能となった。

  • 事業環境変化とグローバル化対応の強化に向けシステムを刷新

    「人・社会・地球との共存共栄をはかり、豊かな社会づくりに貢献する価値創造企業を目指す」を企業理念に掲げ、トヨタグループの総合商社として自動車や自動車部品、金属、食料など幅広く取り扱う豊田通商。同社が非鉄金属部門におけるコモディティ取引・リスク管理システムの刷新を検討したのは2012年ごろだった。
    国際市場で取引するコモディティ(汎用品)では、現物取引と、価格変動リスクをヘッジするデリバティブ取引の統合管理が必要不可欠である。当時、豊田通商の非鉄金属部門は、コモディティ取引・リスク管理システムをスクラッチで開発・運用していたが、取引のさらなる拡大へ対応すべく、今後の事業環境・ビジネスの変化へ柔軟に対応でき、グローバルな連携管理が達成できるシステムの構築を目指した。

  • 製造業と金融業の両方に豊富な経験を持つNSSOLの製品を選択

    豊田通商は海外製品を含む複数のパッケージソフトウエアを比較。その結果、製造業と金融業の両方に豊富なシステム導入経験を持つ新日鉄住金ソリューションズ(以下、NSSOL)の「Ratispherd(ラティスファード)」を選択した。同製品は見積もり~契約締結~計上までに発生するエクスポージャを統合管理できる国内唯一のパッケージである。
    Ratispherdは、非鉄金属だけでなく、エネルギー/食料/穀物といった幅広いコモディティにおける各商品固有の取引単位といった商習慣に対応しており、取引条件に応じてマスタを変更できる自由度やコスト効率などに優れる。英語を含む多言語対応も行われており、海外拠点への導入が容易だ。豊田通商はオンプレミス環境で導入したが、クラウドサービスとして導入することも可能である。

  • 取引拡大に対応した新たな業務基盤が完成、海外の事業拠点にも導入

    新システムの導入プロジェクトはNSSOLの支援で2012年12月にスタート。豊田通商は2014年5月から本格運用を行っている。環境変化やグローバル化対応の強化に加えてRatispherdの導入で得た成果は多い。まず、パッケージをベースに開発を行ったほか、海外製品に比べてRatispherdのコスト効率化が高いため、初期導入・保守などに要するシステムコストが大幅に削減された。次に、以前は人手で行っていた一部の業務をシステムに取り込んだことで業務効率が向上した。さらに、表計算ソフトを使った手作業の取引・リスク管理に比べると、取引記録が全て残るため、ガバナンスが格段に強化された。豊田通商は2014年10月、海外事業拠点にもRatispherdを導入。グローバルな連携管理を可能にするなど、取引・リスク管理の高度化を加速させている。

コアテクノロジー

現物とデリバティブの各取引の統合管理、リスク管理、多言語対応、オンプレミスとクラウドの選択

システム概要

●サーバー:1台(AP/DBサーバー)
●アプリケーション:Ratispherd(ラティスファード)

豊田通商株式会社様

本社:名古屋市中村区名駅4-9-8
設立:1948年
資本金:649億円(2014年3月31日現在)
売上高:単独3兆6040億円/連結7兆7432億円(2014年3月期)
従業員数:単独2809名/連結5万423名(2014年3月31日現在)
グループ会社:子会社694社、関連会社261社(2014年3月31日現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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