ベトナムで鋼材流通加工事業を展開日本式の現品管理と短納期販売を実現

ビナスチールセンター(岡谷鋼機 ベトナム現地法人)様

プロジェクト概要

背景

ベトナムで需要が増大する建築用鋼材の流通加工事業をゼロから立ち上げる。時間、人材、予算が限られるなか、情報システムを導入して日本式のきめ細かな現品単位の管理と短納期小口販売を実現したいと考えた。

ソリューション

鉄鋼業界の業務やシステムでトップクラスの知識を持つ新日鉄住金ソリューションズの「鋼材二次加工業向けシステム開発テンプレート」を活用。当初は最小限の機能を開発するが、事業の発展に合わせてシステムを拡張できるようにする。

成果

システムにより、豊富な在庫をきめ細かく管理し、即納要請に対応する体制を事業開始と同時に整えた。母材の入庫から、製品出荷までの全情報を記録しており、記録を自由に抽出してレポート作成や分析に活用している。

  • 日本式業務の基盤として在庫管理システムの構築を検討

    ベトナム・ホーチミン市南部で、建築用鋼材の保管・切断加工を手掛けるビナスチールセンター(以下、VSCC)。同社は、商社の岡谷鋼機が2011年に100%出資で設立した会社である。ベトナムでは工場建設向け鋼材需要が高まっており、VSCCは同国プレハブ鉄骨建物最大手のPEBスチールビルディングスなどへ製品を提供している。
    VSCCが在庫管理システムの導入を検討したのは、同社の設立準備が本格化した2011年1月である。建築用鋼材は市場競争も激しい。VSCCは在庫管理システムを活用し、日本式の現品単位の管理と短納期小口販売を実現。中長期的には、複数の鉄骨建物事業者が受注前に見込みで抱える在庫をプロジェクト単位で一元管理する「プロジェクトプラットフォーム」を目指すことで事業競争力を強化したいと考えた。

  • 「鋼材二次加工業向けシステム開発テンプレート」で新システムを構築

    VSCCはゼロから事業を立ち上げるため、業務プロセスが固まっていない。また、設立当初は事業規模が小さいため、システム予算は限られ、専門要員もいない見通しだった。こうした条件の下、同社がITパートナーとして選択したのが新日鉄住金ソリューションズ(以下、NSSOL)である。NSSOLは「鋼材二次加工業向けシステム開発テンプレート」による新システムの構築を決める。これは鉄鋼製品流通加工事業者の海外進出支援を目標にしたNSSOLのスピード開発ソリューションで、複数用意したひな型を顧客要件に合わせて拡張・カスタマイズし、短期間・低コストでシステムを導入できる。事業のスタート時に開発する機能は最小限にするが、事業の発展に合わせてシステムを拡張可能で、プロジェクトプラットフォームの業務までをカバー可能だ。

  • 全製品の記録をトレース、自由に抽出してレポート作成にも活用

    VSCCは在庫管理システムを、工場が稼働した2011年10月から運用している。クライアントPCやサーバーはベトナム国内で調達。システムは日本で開発して導入した。運用監視については、NSSOLのエンジニアが日本からリモートで行っている。
    VSCCはこのシステムに、母材であるコイルの入庫および出庫、切断加工を行った後の製品である鋼板の入庫および出荷の情報を記録し、日本式の現品管理と短納期小口販売を行うための業務基盤として活用している。切断加工によって形状が変化しても記録のトレースが可能で、製品に万一クレームが発生した場合も迅速に母材までさかのぼって特定できる。記録は、日付や顧客名などの項目を基にデータベースから自由に抽出可能で、表計算ソフトに取り込み、レポート作成や分析に活用している。

コアテクノロジー

鋼材二次加工業向けシステム開発テンプレート、在庫管理、.NET、業界トップクラスの業務知識

システム概要

●サーバー:Windows Server×1
●アプリケーション:鋼材二次加工業向けシステム開発テンプレート
●ミドルウエア:Microsoft SQL Server

ビナスチールセンター(岡谷鋼機 ベトナム現地法人)様

本社: ベトナム バリア=ブンタウ省 ミースワンB1工業団地
創業:2011年
資本金:300万米ドル
従業員数:20名

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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