業務とITの一体改革に向けて 基幹システムを全面刷新

株式会社島津製作所様

プロジェクト概要

背景

受注管理・原価管理・生産管理・財務会計といった幅広い業務を改革するとともに、事業のグローバル化に対応する。従来、各事業部門・会社が個別に構築していたシステムを全面刷新。グループ全体で統合・標準化する。

ソリューション

ERP(統合基幹業務システム)パッケージ「Oracle e-Business Suite」を採用し、業務改革とITの改革を一体的に推進する。製造業のシステムに対する知見・実績が豊富な新日鉄住金ソリューションズをパートナーとして選択した。

成果

内製化へのシフト、1個流し生産、受注・出荷の自動化といった業務改革によって、リードタイム短縮や省力化が実現した。IFRS(国際会計基準)やRoHS指令への対応により、事業のグローバル化を効率的に支援できるようになった。

     

  • 品質向上とグローバル化支援へ、基幹システムの刷新を検討

    「科学技術で社会に貢献する」という社是の下、最先端の高精度な分析・計測機器や医用・航空機器などを開発・製造している島津製作 所。2011年度から開始した中期経営計画では、海外事業の拡張といった成長戦略を積極的に進めている。
    同社が基幹システムの全面刷新を検討したのは、2003年である。島津製作所の製品は多種多様で、量産品ばかりでなく年間数台の少量生産品 や、注文ごとに個別のカ スタマイズを行うものも多い。従来は、コスト削減のために製造工程の外注化を進めていたが、製造ノウハウの蓄積と品質向上へ方針を転換。内製化へのシフト および1個流し生産体制への転換、標準原価制度への移行、事業のグローバル対応などを、事業分野・会社単位で順次展開する計画を立て、それらを支援する新 基幹システムを求めた。

  • 柔軟性が高いOracle EBSと、知見・実績が豊富なNSSOLを選択

    要件を基に島津製作所は、新基幹システムのERP(統合基幹業務システム)パッケージとして「Oracle e-Business Suite(以下、Oracle EBS)」を採用。システム構築を支援するITパートナーとして、製造業のシステムに関する知見・実績が豊富な新日鉄住金ソリューションズ(以下、 NSSOL)を選択した。
    業務改革と新システムの導入を大規模に進めるため、プロジェクトは一筋縄ではいかなかった。最初に対象となった子会社は新システムへ順調に移 行したが、以降は移行延期や移行に伴う業務の混乱が発生したという。そこで同社は2009年度にプロジェクトのレビューを行い、目標の再共有と抜本的な対 策を立案。業務システム統括部を設置して、業務とシステムを一体的に改革する体制の下、プロジェクトを再スタートした。

  • 業務改革を支えるシステムが安定稼働、納期短縮や省力化を実現

    再スタート後、プロジェクトは順調に進んだ。当初計画した範囲の移行は2011年1月に完了。新基幹システム「sSCOPE」は安定 稼働している。2012年10月時点では、本社、工場、国内グループ会社、フィリピンおよびシンガポールの海外グループ会社へ新システムが導入されてい る。
    成果は大きい。1個流し生産により、製造リードタイムは従来の1カ月から最短で3日になった。また、受注・出荷業務の自動化で省力化が進み、 部品の場合は午後4時までの受注品を翌日午前7時半に出荷できるようになっている。新システムはIFRS(国際会計基準)や欧州の有害物質規制である RoHS指令といった国際的な規制にも対応しており、事業のグローバル化も効率的に支援可能だ。

コアテクノロジー

業務革新、ERP、カンバン方式、MRP、IFRS、RoHS指令

システム概要

●サーバー:Solaris×5台(DBサーバー×2台、APサーバー×3台)
●アプリケーション:Oracle e-Business Suite 11(受注管理、原価管理、生産管理、財務会計)

株式会社島津製作所様

本社:京都市中京区西ノ京桑原町1番地
創業:1875年
資本金:266億円(2012年3月31日現在)
売上高:単独1556億円/連結2662億円(2012年3月期)
従業員数:単独3069名/連結1万132名(2012年3月31日現在)
グループ会社:子会社74社、関連会社3社

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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