データベース共通基盤のクラウド環境への移行 Autonomous AI Database活用により運用負荷とコスト課題を同時に解決

株式会社みずほ銀行様

プロジェクト概要

背景

IaaS基盤の更改タイミングが迫る中で、運用負荷増大やハードウェア更改によるコスト偏在などの課題を解決する、データベース基盤の刷新が求められた。

ソリューション

既存システムと統一した運用・監視設計のもと、パブリッククラウド(OCI)上にデータベース共通基盤を構築し、データベースにはフルマネージドサービスであるAutonomous AI Databaseのサーバーレス型(ADB-S)を採用。パッチ適用の自動化に加え、RATによるテスト検証の自動化も実現した。

成果

約8カ月での短期リリースを実現。共通基盤化により、利用部門・運用側双方の負担を軽減し、今後の拡張(移行拡大・災対・AI活用・マルチクラウド)に向けた基盤を確立した。

先行的なサーバーレスDB基盤の導入

みずほ銀行では、業務システムを支えるデータベース基盤の刷新を進めている。次世代プラットフォームとして、Oracle® Cloud Infrastructure(OCI)上に新たな共通基盤を構築し、中核となるデータベースにはフルマネージドサービスであるAutonomous AI Databaseのサーバーレス型(ADB-S)を採用した。国内大手金融機関における導入事例としては先行的な取り組みとなる。
本プロジェクトの背景には、みずほ銀行全体でのITシステムのクラウド化推進の方針と、基盤集約に伴うDBサーバ運用負荷の増大、ハードウェアの周期的な更改に伴うコストの偏在といった課題があった。プラットフォームエンジニアリング部ヴァイスプレジデントの森重祥吾氏はこう振り返る。「50を超える業務システムを支える中で、運用や問い合わせ対応に多くのリソースを割いていました。加えて、データベースに関する高度な技術を持つ人材の確保も容易ではなく、従来の運用モデルを見直す必要がありました」。さらに、IaaS基盤の更改タイミングも重なり、データベース基盤の抜本的な見直しが求められていた。新たな基盤構築では、単なるデータベースのクラウド移行にとどまらず、「共通基盤」としての再設計が行われた。従来のように業務ごとに個別最適でデータベースを構築するのではなく、テンプレート化された基盤を提供することで、効率性と統制の両立を図っている。課長の上田 奈央氏は「運用やセキュリティを含めたフォーマットとして提供することで、利用部門も我々もその負担を大きく減らすことが可能になりました」とそのメリットを説明する。

株式会社みずほ銀行 プラットフォームエンジニアリング部 ヴァイスプレジデント 森重 祥吾氏
株式会社みずほ銀行 プラットフォームエンジニアリング部 ヴァイスプレジデント
森重 祥吾氏

パッチ適用とテスト検証の自動化

本プロジェクトでは、マネージドサービスを前提とした構成や複数テナントでの集約運用など、難易度の高い設計が求められた。金融機関特有の厳格な運用ルールやセキュリティ要件を満たしつつ、既存システムとの整合性を保つ必要があったためである。プロジェクトで実務の中心的な役割を担った塗 佑介氏は、「OCI上でありながら他のパブリッククラウドや既存のオンプレミスのシステムと統一した運用・監視の仕組みを実現するなど、全体最適を意識した設計がなされています。既存の運用体系にフィットさせながらクラウド化する必要があり、技術的に難易度の高い構成でした」と話す。
運用負荷の軽減とコストの平準化を実現したADB-S。その導入の決め手の一つとなったのがパッチ適用の自動化である。週次で実施されるパッチが業務に影響を与えないかという懸念に対し、Oracle のReal Application Testing(RAT)を活用したテスト検証環境を構築した。森重氏は「従来は年1回の大きなイベントとしてパッチ適用を行っていましたが、その都度データベースを停止し、検証に多くの工数がかかっていました。RATを走らせることで業務影響を自動的に検証でき、安心して運用できる環境を整えられました」と語る。

株式会社みずほ銀行 プラットフォームエンジニアリング部 課長 上田 奈央氏
株式会社みずほ銀行 プラットフォームエンジニアリング部 課長
上田 奈央氏

基盤拡張と運用高度化に向けて

本プロジェクトを伴走したのが、従来のオンプレミス環境の構築・運用を担ってきた日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)。約20年にわたって協働してきた蓄積が今回のクラウド移行でも大きな強みとなった。上田氏はNSSOLについてこう評価する。「OCIの検討初期から伴走し、みずほ銀行全体の状況やロードマップを踏まえた提案をしてくれました。Oracleとのつなぎ役としても欠かせない存在です」。プロジェクト期間中は週3回の定例会をはじめとした密なコミュニケーションにより、関係者間での認識を常に揃えながら推進してきた。塗氏も「従来であれば1年以上かかる規模の基盤構築を約8カ月で実現できたのは、NSSOLの提案力と技術力、そして信頼関係があってこそ」と振り返る。
2025年に本格的に稼働したデータベース基盤は、今後さらなる拡張フェーズに。既存の各システムの移行に加え、新規利用拡大や災害対策環境の構築も進められている。さらに、ログデータ活用の高度化や、マルチクラウド連携など、さらなる進化も視野に入る。塗氏は、「これからデータベース利用が本格化するフェーズ。まずは安定運用を前提に、より高度で柔軟な基盤へと進化させていきたいです」と意気込んでいる。

株式会社みずほ銀行 プラットフォームエンジニアリング部 塗 佑介氏
株式会社みずほ銀行 プラットフォームエンジニアリング部
塗 佑介氏

コアテクノロジー

●ADB-Sを活用したフルマネージド/サーバレス型データベース共通基盤の構築、運用

システム概要

●金融機関向けデータベース共通基盤のOCI移行

関連SDGs

SDGs 7

高効率なクラウド基盤への移行で、持続可能なIT運用を実現

SDGs 12

自動化と標準化で、IT資産のライフサイクルを最適化

みずほ銀行が構築したデータベース共通基盤の概要

・NS(ロゴ)、NSSOL、NS Solutionsは、日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。
・その他本文及び図表内に記載の会社名及び製品名は、それぞれ各社の商標又は登録商標です。
・Oracle、Java、MySQL及びNetSuiteは、OracleCorporation、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録
商標です。
NetSuiteは、クラウド・コンピューティングの新時代を切り開いたクラウド・カンパニーです。

株式会社みずほ銀行様

本店: 東京都千代田区大手町1-5-5
設立: 2013年
従業員数: 23,827名(2025年3月末現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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