デジタルサービスの安定化を目指し システムと大規模DBをクラウド移行

株式会社インフォマート様

プロジェクト概要

背景

インフォマートが提供するBtoBプラットフォームの利用企業が増え続け、月末・月初にシステムの負荷が突発的に上昇するなどの課題があった。

ソリューション

柔軟にサーバーリソースを拡張できるよう、基幹システムと大規模データベースをクラウド環境に移行させた。オンプレミスからクラウドへの切り替えは、月次メンテナンスの短い時間内で完遂した。

成果

月末・月初でも安定したサービス提供が可能になり、サーバーの運用コストも大幅に削減された。NSSOLの運用サービスemeraldおよびOracleアドバンストサービスの採用により、障害対応も強化された。

24時間365日の運用に課題

約120万社にBtoBプラットフォームサービスを提供するインフォマートは、発注や請求などの企業間取引をデジタル化するソリューションを展開している。同社は増え続けるトランザクション量に対応するため、2024年8月、FOOD事業(飲食業界向けサービス事業)の基幹システムを「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」上に再構築した。
ITIL部門担当執行役員の中井康氏はその狙いについて、24時間365日のシステム運用をより安定化させることが重要だったと語る。「十分なサーバーリソースを用意していても、月末・月初の時期的な要因でシステムの負荷が突発的に上昇し、ぎりぎりのCPUリソースでシステムを運用しなければならないことがありました。そこで、サーバーリソースを柔軟に増やせるクラウドサービスを活用し、運用の安定性を高めることにしました」(中井氏)。
インフォマートがOCIを選んだ理由は、Oracle Databaseサーバーを運用しやすいからだ。中井氏は「当時、大規模なOracle Databaseサーバーを運用していて、次はより高性能なOracle Exadataを導入したいと考えていました。このExadataがOCIのサービスとして利用できるようになったとき、OCIへの移行を決めました」と振り返る。

株式会社インフォマート ITIL部門 担当 執行役員 中井 康氏
株式会社インフォマート ITIL部門 担当 執行役員
中井 康氏

「Oracleと言えばNSSOL」

OCIへの移行プロジェクトで、インフォマートがパートナーに指名したのは日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)だ。「NSSOLとの付き合いは、当社が初めてOracle Databaseを導入した2011年からになります。SQL ServerからOracleに移行する非常に難しいプロジェクトでしたが、NSSOLは豊富なノウハウを持ち、スムーズに移行できました。そのころから『Oracleと言えばNSSOL』と信頼していました。本プロジェクトの前にも、データベースの状態を把握するための診断やDB管理者向け技術支援をしてもらっていたので、今回もぜひNSSOLに依頼したかった」と中井氏は明かす。NSSOLはこのプロジェクトで、OCIによるインフラ構築とデータベースの移行(FOOD事業)を担当した。
OCIへの移行で困難を極めたのは、既存の環境からクラウド環境に切り替える作業だった。「基本的に24時間365日提供するサービスなので、定期メンテナンスの数時間しかシステムを止められません。その非常に短い時間内で既存システムからOCI、Exadataに処理を切り替えたかったため、非常に難しいプロジェクトになりました」(中井氏)という。
しかし、NSSOLは綿密な計画を立てて移行作業のリハーサルを繰り返し、短時間での確実な移行を実現した。中井氏は「経験上、この規模のプロジェクトでは、必ず何かしらの技術的な問題が出てくるものですが、NSSOLからは問題解決のための提案をスピーディーに示してもらえました。しかも、当社のビジネスをよく理解してもらえていたので、すぐに実施できる最善の提案ばかりでした」と評価する。

処理性能アップ、運用コスト38%減

OCIへの移行後、最大の課題だったシステムの安定性は劇的に改善した。「月末・月初に処理量が急増しても、OCIでは追加のCPUリソースを数分で用意できます。移行後のシステムインフラやデータベースには1件のトラブルもなく、非常に安定稼働しています。システムの処理性能も向上しました」(同)。
運用コストは38%削減を見込む。移行後にNSSOLの運用サービス「emerald(エメラルド)」およびOracleアドバンストサービスを採用することで、幅広い障害への対応が可能となっている。中井氏は「これまで以上にシステムの安定性が強化されました」と語る。
今後はemeraldのフル活用による24時間の障害対応といった運用の強化に加えて、アプリケーションの機能追加などにもNSSOLの協力を求めていく方針だ。「今回のプロジェクトで、クラウド環境を基に安定したサービスの提供を実現しましたが、私たち自身はまだOCIの運用経験や知見に乏しい部分があります。引き続きNSSOLに強力な支援をお願いしたい」と中井氏は期待する。

コアテクノロジー

●クラウドサービス、Oracle社のサービス群に関する導入・活用ノウハウ

システム概要

●クラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure」、データベース・サービス「Oracle Exadata Database Service」

関連SDGs

SDGs 13

デジタルサービスの提供を通じてペーパーレス化と温暖化ガス削減へ

SDGs 10

ダイバーシティーを高める取り組みを積極的に推進

FOOD事業の基幹システムをOracle Cloud Infrastructure(OCI)上に再構築

  • 株式会社インフォマート2024年12月期通期決算資料に基づきデータセンター費用の年間比較で算出。

・NS(ロゴ)、NSSOL、NSSolutionsは、日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。
・その他本文及び図表内に記載の会社名及び製品名は、それぞれ各社の商標又は登録商標です。
・Oracle、Java、MySQL及びNetSuiteは、OracleCorporation、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。NetSuiteは、クラウド・コンピューティングの新時代を切り開いたクラウド・カンパニーです。

株式会社インフォマート様

本社: 東京都港区海岸1-2-3 汐留芝離宮ビルディング13F
設立: 1998年
資本金: 32億1251万円(2024年12月末現在)
売上高: 156億3000万円(2024年12月期)
従業員数: 716名(連結、2024年12月末現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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