ワークフローシステムを短期導入 リモートワークでも即日決裁に

日鉄スラグ製品株式会社様

プロジェクト概要

背景

全国の事業所と本社の間では、紙の書類による稟議や決裁の効率化が課題だった。さらにコロナ禍で稟議や決裁が滞らないよう、ワークフローシステムの早急な導入が求められた。

ソリューション

迅速な導入とシステム部門の負荷軽減のため、導入・運用・サポートをワンストップで提供する「AgileWorksクイックパック for Microsoft Azure」を採用した。

成果

予定通り、3カ月でワークフローシステムの導入を完了した。ペーパーレス化により完全なリモートワーク環境を実現し、決裁も即日で完了できるようになった。

コロナ禍で業務効率化が急務に

製鉄の過程で生成される鉄鋼スラグを原料として建築資材などの製品を製造する日鉄スラグ製品は、日本製鉄のグループ企業として、北海道から九州まで全国11カ所に拠点を構える。
同社は、業務効率化や働き方改革の一環として以前からリモートワークの推進に取り組んでおり、ワークフローシステムの導入が検討されていた。そこに新型コロナウイルスの世界的大流行により、リモートワーク環境の早期整備が一層求められるようになった。
リモートワークで最も大きな課題とされていたのは、稟議や決裁における押印業務だった。総務部総務室長、人事室長兼務の楠木 誠氏は、「従来、稟議や決裁では紙の書類に押印して回付する必要があり、本社と全国の事業所間における稟議や決裁には3日から1週間必要でした。それに加え、コロナ禍における出社制限により、押印までにかかる時間がさらに増えていました。そのため、早急にワークフローシステムを導入する必要がありました」と振り返る。
ただし、ワークフローシステムの導入・運用にも課題があった。総務部システム企画室主査の成田 大祐氏は、「当社のシステム部門は人数が限られているうえ、当時はコロナ禍で業務を止めないための環境整備が最優先課題でした。そのため、ワークフローシステムの導入や保守・運用・サポートによってシステム部門の負担を増やすことは避けたかった」と話す。

日鉄スラグ製品株式会社 総務部 総務室長 人事室長兼務 楠木 誠氏
日鉄スラグ製品株式会社 総務部 総務室長 人事室長兼務
楠木 誠氏

サーバー環境を含め3カ月で構築

日鉄スラグ製品は、コロナ禍の最中、2020年7月にワークフローシステムの選定作業を開始した。重視したのは、導入の迅速さ、保守・運用の容易さ、実際の業務である人事異動対応のしやすさだ。
SaaSを中心にワークフローシステムを比較検討した結果、同社はクラウドサービスとワークフローシステムをセットで提供する日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)の「AgileWorksクイックパック for Microsoft Azure」を採用した。
楠木氏は「Azureがセットになっているため、サーバー環境の構築を含め3カ月で構築できることを評価しました。また、当社の決裁ルール(閲覧者や回付方法を規定したルール)には複雑なところがあり、一般的なSaaS型ワークフローシステムでは対応できないことが分かりました。AgileWorksなら文書の閲覧権限や回付の細かい設定にも対応できました」と選定理由を語る。
成田氏は、「AgileWorksは標準機能が充実していることに加えて、ユーザーの属性情報や権限を指定日時に一括変更できる機能があり、毎月発生する人事異動にも容易に対応できる点を評価しました。さらにオールNSSOLでの対応により、システム部門の負担を増やすことなくワークフローシステムを導入・運用できる点もよかった」と述べる。
システムの選定が終わり、ワークフローシステムの導入作業を始めたのは2020年10月。日鉄スラグ製品とNSSOLはコロナ禍での導入作業をリモートで行った。NSSOLはAgileWorksのプロトタイプをオンラインで提示しつつ日鉄スラグ製品の関係部署と協議を進め、同社の複雑な決裁業務を短期間で実装した。新システムは予定通り2021年1月にカットオーバーした。

日鉄スラグ製品株式会社 総務部 システム企画室 主査 成田 大祐氏
日鉄スラグ製品株式会社 総務部 システム企画室 主査
成田 大祐氏

決裁のスピードアップに貢献

新システムの効果について楠木氏は、「押印のために出社する必要がなくなり、完全なリモートワークができる環境を実現できました。これまで最長で1週間かかっていた決裁業務も、その日のうちに完了できるようになり、業務のスピードアップにつながっています」と語る。
成田氏の評価も高い。「導入、運用、サポートのすべてにわたってNSSOLに任せられたため、システム部門は最低限の負荷でリモートワーク環境を実現できました」。
日鉄スラグ製品はこのプロジェクトの成功を基に、技術部における工場の在庫管理、経理部門の取引先登録、営業部門の訪問履歴申請などにAgileWorksを横展開している。今後はさらに、人事や給与などにも活用し、全社で稟議・決裁業務の電子化を推進していく予定だ。「当社のビジネスをよく理解しているNSSOLには、これからも導入・運用からサポートまで一気通貫した提案をしてほしい」と成田氏は期待を寄せる。

コアテクノロジー

●ワークフローシステム「AgileWorks クイックパック for Microsoft Azure」の導入・活用ノウハウ

システム概要

●ワークフローシステム:AgileWorks クイックパック for Microsoft Azure
●クラウドサービス:Microsoft Azure

関連SDGs

SDGs 12

製鉄の副産物である鉄鋼スラグを再資源化

SDGs 15

資源のリサイクルを通じて環境保護に貢献

日鉄スラグ製品が導入したワークフローシステムの概要

日鉄スラグ製品株式会社様

本社: 東京都中央区日本橋茅場町1-9-4
設立: 2014年
資本金: 1億円(2021年3月31日現在)
売上高: 約330億円(2021年3月期)
従業員数: 約550名(2021年4月現在)

※ユーザー事例の記事内容は掲載当時のものとなっております。

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