日鉄ソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:玉置 和彦、以下「NSSOL」)と、日鉄テックスエンジ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小野山 修平、以下「日鉄テックスエンジ」)は、デジタル製造業領域での業務提携に関する基本合意書を2023年12月20日に締結したことを受け、このたび、それぞれの有するIT・OT領域でのソリューションと技術知見を融合させ、統合ソリューションの共同開発を進めることに合意しました。
NSSOL、日鉄テックスエンジは、日本製鉄株式会社のIT・OT領域を担うグループ企業として、スマートファクトリーを実現するための各種ソリューションの提供を行ってまいりました。今回の業務提携によりNSSOLの持つ基幹システム・生産管理システムの経験と、日鉄テックスエンジの持つ製造現場の知見・ノウハウ、制御システムの構築技術、また両社に共通する日本製鉄の製造現場で豊富に蓄積された実効性のあるユースケースを掛け合わせることで、お客様のDXニーズに応えることを目指しております。

こうしたなか、両社では業務提携を踏まえた具体的なソリューションの共同開発に関する協議を行い、まずは次の3分野を重点領域として定め、具体的なソリューションの共同開発を進めていくことに合意しました。
1. 設備状態監視システムと設備保全管理システムの連携による最適保全の促進支援
製造業の設備保全の領域では、設備メーカーによる推奨メンテナンス時期や経年劣化予測をベースとした設備保全(Time Based Maintenance:TBM)ではなく、その設備の稼働状態を正確に把握した上で設備のオーバーメンテナンスを抑制し、操業停止リスクを未然に防止するための施策(Condition Based Maintenance:CBM)が求められています。
こうした背景を受けて、両社で有する設備状態監視システム上のIoTデータと設備保全管理システム上の保全計画・実績データを連携させ、顧客のCBM化を実現するためのシステムの実現を目指します。

2. 設備故障予知における両社保有の分析モデルを融合した設備予知保全システムの強化
両社はこれまで、製造現場の生産設備から運転データ・IoTデータの収集とクラウドへの一元的な蓄積により、独自開発した分析モデルを活用した設備予知保全システムを独自に開発し、お客様の主要設備への導入を行ってきました。
今後両社では、個々のプロジェクトを通じて蓄積した分析モデルなどのアセットを融合し、トータルソリューションとして強化を図ります。両社のソリューションの融合により、大規模なIoTデータ蓄積への対応力や予知保全対象設備の拡大など、顧客ニーズに幅広く応えることが可能となります。

3. 生産計画・生産実行の最適化領域における両社アセットのプール化を通じた案件対応力の強化
これまで、両社が有する数理モデルの技術を用いて、配船・原料調合・製造・置場・物流・整備・修理などの各業務領域において多数の最適化プロジェクトを実行してきましたが、多様化する顧客企業の最適化ニーズに対してより一層充実した対応の実現を目指し、両社が有するアセットのプール化を通じて案件対応力を強化していきます。具体的には、①上流工程での生成AIの活用、②開発環境の共同利用、③案件知見とSE研修ツールの共有により、各社戦力の拡充と共通化を行うものとなります。

今後も両社はそれぞれの有する強みを持ち合わせ、新たな価値提供の創出とデジタル製造業領域におけるIT・OTニーズへの的確な対応により、統合インダストリーソリューションプロバイダーを目指して協業を促進してまいります。
以上