匿名加工のコンテストで総合第2位、匿名加工賞(トレース推定対策部門)を受賞

日鉄ソリューションズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:森田 宏之、以下 NSSOL)の参加チーム『鋼鉄の錬金術師』が、個人情報を守る技術を競うコンテスト「PWS Cup 2019※1(匿名加工・再識別コンテスト)」[10/21~24 長崎ハウステンボス]にて、総合第2位と匿名加工賞(トレース推定対策部門)を受賞しました。

国内外においてビッグデータ活用ニーズが急速に高まる中、データの効果的な活用とプライバシー保護を両立させる技術や規準の発展と確立が強く求められています。そのためには、プライバシー保護技術の研究開発を進める学術機関とデータ活用の現場で活躍する技術者・専門家との間での議論や交流を活発にし、日本におけるプライバシー保護技術の研究開発を活性化させていく重要性が高まっています。このような背景のもと、情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会(CSEC研究会)はPWS組織委員会を立ち上げ、2015年より「プライバシーワークショップ(PWS)」を年次開催しています。

PWS Cup 2019では、匿名加工技術を有する国内外の企業や大学の21チームが参加し、コンテスト用に擬似的に生成した位置情報・移動履歴データ(トレース)に対して、安全性と有用性を両立する加工技術を競い合いました。匿名加工フェーズでは、元のトレースの特徴は保ちつつ、トレースから元の個人の識別(ID識別)や元の位置情報の復元(トレース推定)が成功しないように加工し、ID識別・トレース推定フェーズでは、加工されたトレースから、どの程度ID識別やトレース推定が成功するか、というリスクを評価します。

匿名加工フェーズ/ID識別・トレース推定フェーズ

NSSOLでは、2015年から研究部門(システム研究開発センター)にて「匿名化技術」に着目し実証研究を進め、PWS Cup 2016では3位(再識別賞も受賞)※2となりました。その後、事業部門(社会公共ソリューション事業部)とともに、適切に匿名加工を施すソリューションNSDDD(エヌエスディースリー) ※3の開発や次世代医療基盤法対応※4など、データ活用・データ流通領域でのソリューションを展開してきました。企業間のデータ流通に欠かせない「匿名加工技術」について、さらなる技術力の強化を目的として今回のPWS Cupに参加し、これまで匿名加工の実績があるシステム研究開発センターと共同で課題に取り組みました。ビジネス視点・社会的視点を考慮した匿名加工・リスク評価のアイディアを出しながら、様々な仮説検証を通じて適した手法の選択を行った結果、総合第2位と匿名加工賞(トレース推定対策部門)のダブル受賞を果たしました。

今後もNSSOLでは、益々ニーズの高まるデータの有効活用に向けて、有用性と安全性を両立する技術により、お客様の安全なデータ活用に貢献してまいります。

以上