新日鉄住金ソリューションズ、Jリーグ向けに年間入場者数(J1)の予測モデルをAIで開発

新日鉄住金ソリューションズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:謝敷 宗敬、以下NSSOL)は、公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(住所:東京都文京区、チェアマン:村井 満、以下 Jリーグ) 向けに、過去の入場者数などの各種データをもとにAIの一種である機械学習を活用することによって、年間入場者数の誤差が少ない予測モデルを開発いたしました。

Jリーグでは、2014年よりNSSOLが開発した組合せ最適化ソリューションを適用した「試合日程自動作成システム(通称Jリーグ・マッチスケジューラー)」(※1)にてシーズン試合日程作成業務をおこなっています。これまで自動作成システムから導出される複数の試合日程パターンについて、より良い試合日程を選択するための定量的な指標が求められていました。また、同時に入場者数の増減に影響を与える要因を把握したいと考えていました。

NSSOLでは2014年よりJリーグとともに入場者数の予測モデルの開発を進めてまいりました。
このたび2016年J1のシーズン年間入場者数(実績)に対して、試合ごとに予測した来場者数を積上げた年間入場者数(予測)との誤差が、約0.5%という精度の高い予測モデルを開発することができました。

予測のための変数としては、スタジアム別平均入場者数、キックオフ時刻、日付、節フラグを採用しています。

(1) スタジアム別平均入場者数

  • 過去のデータから、スタジアムごとの平均入場者数を算出し、変数に加えた
  • J2⇒J1へ昇格したチームは、J2の平均入場者数を用いた

(2) キックオフ時刻、日付

  • キックオフ時刻は1時間単位の区切りとした
  • 「平日、土、日、祝」の4パターンの情報を付与した

(3) 節フラグ

  • 入場者が増えやすい一部の特徴的な節を特別扱いした

分析手法としては、重回帰分析をもとに機械学習による予測モデルを構築しています。

  • J1⇒J2のチーム入替えを考慮し、J1だけでなくJ2の実績データも使用
  • 予測モデルを使用し、要因の効果を定量的なものとして見える化

Jリーグは今回の成果をふまえ、将来的(2018年シーズンを目途)には、試合日程自動作成システムと年間入場者数の予測モデルを組み合わせることによって、さらなる入場者数の増加につながるより良い試合日程の実現に期待しています。

新日鉄住金ソリューションズは、製鉄業における品質管理、生産計画を出発点として、30年の長きにわたり、データ分析・活用する情報システムを創り出してまいりました。これからも製造業にとどまらず、幅広い業種・領域のお客様ニーズに対してデータ分析・データ活用をご提案してまいります。

以上