東京大学にグリッド・コンピューティング・システムを納入

~インテルR デュアルコア プロセッサー搭載システムとして日本最大級~

 新日鉄ソリューションズ株式会社(本社:東京都中央区新川二丁目20番15号、代表取締役社長 鈴木 繁、以下新日鉄ソリューションズ)は、このたび東京大学素粒子物理国際研究センター(所在地:東京都文京区本郷七丁目3番1号、駒宮 幸男センター長)内に設置されている「ATLAS実験地域解析センター」に計算機システムを納入しました。同システムは本年末に予定されている実験開始に向けて導入されたものであり、合計1300CPU、2600コアを搭載し、インテル デュアルコアXeon プロセッサーで構築したグリッド・コンピューティング・システムとしては日本最大級のシステムとなります。

 スイス ジュネーブに本拠を置く欧州原子核研究機構(CERN:セルン)では最前線の素粒子物理の研究を行うため、世界最高エネルギーの陽子・陽子衝突型加速器であるLHC(Large Hadron Collider)を建設中です。LHCで行なわれる実験の一つである「ATLAS実験」は35ヶ国の1800人以上の研究者で構成される巨大国際協力実験プロジェクトです。LHCの実験から得られる膨大なデータは、世界中に分散しグリッド用ミドルウェアで結合された数万CPUの計算機で解析されます。今回東京大学「ATLAS実験地域解析センター」に納入した計算機システムは同実験に関する国内での解析・研究の拠点となるものであり、世界的なグリッド・コンピューティングによるデータ解析の一翼を担うものです。同システムはブレード650台×2CPUのデュアルコア 合計2600コアを有し、インテル デュアルコアXeon プロセッサーを採用したシステムとしては現状日本最大級です。新日鉄ソリューションズは同システムを2006年8月に落札し同年12月に納入しました。

 今回の納入にあたっては、2005年12月に主要ベンダー14社の協力を得て新日鉄ソリューションズのシステム研究開発センター内に設置されたグリッド・ユーティリティ検証センター(NS Solutions Grid Utility Center:略称:NSGUC)で実環境に近い大規模・高性能の環境を構築し、同システムの重要なコンポーネントであるネットワークファイルシステムの評価を実施しました。
 今後新日鉄ソリューションズでは、今回の納入で得た大規模グリッド・コンピューティング・システム構築の知見を活かし、ユーティリティ・コンピューティング環境の構築により、ユーザーに必要な時に必要十分なコンピュータ資源を提供するITインフラのソリューションの提供に注力していきます。

<今回納入システムの主要構成>
サーバ:DELL PowerEdge1955  650台
プロセッサー:インテル デュアルコア Xeon
プロセッサー 5160 x 1300CPU (2600コア)
ディスクアレイ:物理容量1.1PB(ペタバイト)
テープライブラリー:物理容量3.3PB(ペタバイト)

以上