異機種混在のマルチベンダー環境でオートノミック・コンピューティングを実現するためには、各ITベンダーが製品やソリューションの設計・開発段階において標準化された方法を適用する必要があります。そこで両社はこの度、IBMコーポレーションが本年4月に発表した、オートノミック・コンピューティング・システムの構築を支援する「ブループリント」に基づき標準化を推進することに合意しました。
協業の第1ステップとして、2004年1月から3ヶ月間、新日鉄ソリューションズのシステム研究開発センターにて、IBMがブループリントに基づき提供を開始したソフトウェア・ツール群の一つである問題判別ツール「ログ/トレース・ツール」を使い、オートノミック・コンピューティング・システムの構築に重要であるログ解析に関する実証実験を行います。
現状、アプリケーションや、ミドルウェア、ハードウェアなどのログ・データはベンダー毎に異なっている為、異機種混在環境においてはシステムの診断・解析に特に手間と時間がかかっていました。しかしながら、同ツールを利用するとデータの共通フォーマット変換及びデータ間の相関分析を行う事が出来る為、診断・解析のスピードアップが図れ、システムトラブルの際の問題特定や復旧作業を迅速化する事が期待されます。つまり、同ツールを活用する事により、異機種混在システムにおける問題判別の自動化を促進し、自己修復機能を備えた自律型コンピューティング実現にむけての第一歩となります。
実証実験は、IBMのUNIXサーバー「IBMR eServer pSeriesTM」や、サン・マイクロシステムズ製サーバー、IBMのIA(インテル・アーキテクチャー)サーバー「IBMR eServer xSeriesTM」等、各種プラットフォーム上で、IBMやオラクル等のアプリケーション・サーバー・ソフトウェアやデーターベース・ソフトウェアを組み合わせた異機種混在環境で行い、日本IBMの幕張デザインセンターが技術支援を行います。
新日鉄ソリューションズでは、異機種混在環境下におけるシステム診断・解析にログ/トレース・ツールの有効性を判断すると共に、ツールの実用化を促進すべく、検証結果を日本IBMにフィードバックします。更にログ/トレース・ツールの実システムへの適用の目処が付いた時点で、顧客にITインフラを提供する基盤ソリューション事業及び自社で運営するデータセンター内の各種サービスにおいて、オートノミック・コンピューティングの標準化技術として採用する検討を開始します。
IBM、e-businessロゴ、eServer、pSeries、WebSphereは、IBM Corporationの商標。
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