<技術動向>モダナイゼーションを成功に導く鍵とは
経済産業省の『DXレポート』が指摘しているように、企業にとってレガシーシステムの刷新、すなわちモダナイゼーションが喫緊の課題となっている。しかし、その実現は容易ではない。実際、最新技術を活用したシステムへの移行プロジェクトがとん挫した企業も少なくない。本稿では、モダナイゼーションに関する課題と技術動向、日鉄ソリューションズ(NSSOL)の取り組みを解説する。
丸岡 琢磨
日鉄ソリューションズ株式会社
鉄鋼ソリューション事業本部
鉄鋼ソリューション事業部
企画設計第二部
モダナイゼーションセンター所長
目次
- レガシーシステムが競争力維持・強化の足かせに
- 上流工程の軽視が招く後工程における大きなトラブル
- 最大限のメリットを享受できるロードマップを描く
- 最新の基盤とアプリに向けて「リフト&シフト」
- 「モダナイゼーションCoE」がプロジェクトを成功に導く
- モダナイゼーションの段階ごとにサービスメニューを提供
レガシーシステムが競争力維持・強化の足かせに
経済産業省が警鐘を鳴らした「2025年の崖」問題は日本の産業界に大きな衝撃を与えた。レガシーシステムが足かせとなり、2025年以降に年間で最大12兆円の経済損失が生じる可能性があるというのだ。しかし、レガシーシステムの刷新には大きなハードルが立ちはだかる。
レガシーシステムは稼働から10年や20年といった長い時間が経過していることに加え、稼働後に機能を拡張しているケースも多い。開発に携わったエンジニアは既に退職して、肥大化したシステムを理解している社員が存在していないという企業も多いだろう。システム構築を請け負ったIT企業でも、当時を知るエンジニアの大半は一線を退いている。
ブラックボックスと化したシステムのモダナイゼーションは極めて難度が高い。開発着手前に想定していなかったリスクへの対応方針を見誤ったり、技術や機能などの側面でゴール設定を欲張り過ぎたりするからだ。これまでに無謀なモダナイゼーション計画を立案したがためにプロジェクトが破綻もしくは大きく回り道するようなケースを何度も目の当たりにしてきた。
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